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クイズ!! 美少女戦士セーラームーン~知力・体力・時の運~ 【くいず びしょうじょせんしせーらーむーん ちりょく たいりょく ときのうん】 ジャンル クイズ 対応機種 アーケード 販売元 バンプレスト 開発元 ガゼル 稼働開始日 1997年2月25日 プレイ人数 1人~2人 判定 良作 ポイント デフォルメされたキャラクター美麗なグラフィック攻略には根気が必要 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 ストーリー ゲームシステム 評価点 問題点 総評 余談 概要 バンプレストから発売された『美少女戦士セーラームーン』のアーケード専用ゲーム第2弾。ジャンルはすごろくタイプのクイズゲーム。 タイトルは無印のままだが、アニメでは既に第5期にして最終章の『セーラースターズ』が放映されていた(終了していた)ため(*1)、同作に関する問題も収録されている。 全5ステージから任意のステージを選び、すごろくマップを進んでクイズをクリアしていく。全てのステージをクリアするとラストステージが出現し、ラスボスを倒すとエンディングとなる。 ストーリー セーラーサターンことほたるの父・土萠教授が再びセーラー戦士たちに勝負を挑んできた(*2)。 復活したダイモーンを倒すため、セーラー戦士たちは街や海底、ピラミッドなどを探索し、ダイモーンと戦いを繰り広げる。 ゲームシステム 操作は1レバー+4ボタン。 レバーは上下左右の順でA~Dボタンに対応している。クイズは4択式で各ボタンに対応。カーソル選択の際は1、2がカーソル移動、4が決定に対応する。 ゲーム開始時、コンティニュー時にはちびムーン、プルート、サターンを除いたメンバーから好きなキャラクターを選択できる。 すごろくマップ上では止まったマスに応じてダイモーンが登場、4択クイズで戦うことになる。 クイズ開始時、まれに仲間たちがサポート能力を発揮し、ノルマを減らしたり解答を教えてくれたりする。 素早く解答すると「即答ゲージ」が溜まっていき、最大になると必殺技が発動。ノルマを無視してクリアになる。 クイズをクリアすると4枚のカードから1枚を入れ替えることが出来、同じ柄のカードが4枚揃うと絵柄に応じたキャラクターが仲間になる。仲間になったキャラクターは前述の通りクイズの際に助けてくれる。すでに仲間になっているキャラクターの絵柄を揃えると、そのキャラクターの人形(後述)が貰える。また、仲間にした人数に応じたクリアボーナスも入る。 一度仲間になったキャラクターはゲームを終了しない限り最後まで一緒について来てくれる。 + 各キャラクターの能力 セーラームーン 答えを3択にしてくれる。 能力発動時、稀にタキシード仮面のボイスが入り2択にしてくれる事もある。 セーラーマーキュリー 正解と思われる答えを教えてくれる。が、間違っている場合もある。 セーラーマーズ 敵の特殊攻撃(タイムを減らす、ライフを吸い取るなど)を封じる。 セーラージュピター ライフをひとつ回復してくれる。 セーラーヴィーナス ノルマを減らしてくれる。 セーラーウラヌス ジャンル選択させてくれる。 セーラーネプチューン 解答時間の減少スピードを遅くしてくれる。 セーラーちびムーン プレイヤーキャラクターや仲間にはならないが、ランダムに登場してノルマを1減らしてくれる。たまに失敗することもある。 すごろくマップには様々なイベントが用意されており星型のマスに止まることで発生する。 タキシード仮面が登場し、先のマスまで進めてくれたり、ちびうさとほたるのお店で特殊効果のあるアイテムを貰ったりといった救済効果も多い。 マップ上にはたまに罠が設置されており別のマスでアイテムを取得することで回避できる。回避できなかった場合はちびうさとほたるの店に寄れなくなったりする。 仲間の人形を取得した場合、次のクイズでその仲間と同じサポート能力を必ず発揮してくれる。 ステージ中盤と最後にはボスキャラクターが登場。必ず戦わねばならない。 ボス戦では最後の1ノルマで間違えるとノルマが全回復してしまうペナルティが発動する。 その他、ダイモーンによっては間違えるとライフを吸い取ってノルマを回復してしまうなどの特殊ルールが発生する。 ラスボス戦では必殺技を含む一切のサポートがなくなるガチ勝負となる。 評価点 ACらしくグラフィックが非常に美麗。 ゲーム中のキャラクターはダイモーンを除いてデフォルメされているのだが、非常によく動く。必殺技アニメも小さいながら原作のバンクを再現しておりクオリティが高い。 ちなみに各種必殺技はダイモーンが登場した第3期『美少女戦士セーラームーンS』後半のものが採用されている。 リアル体形であるダイモーンや各ボスキャラクターの作画もレベルが高い。ボスとしてカオリナイトやウィッチーズ5といった原作の幹部キャラクターもしっかり登場する。 マップ上のちびキャラクターたちのパターンも多く、かわいく動いているのを見るだけでも楽しめる。ボイスも豊富で様々な場面で喋ってくれる。 サイコロを投げるだけでも、目の前に転がしたり、真上に投げて頭に当たったりと違ったパターンが用意されている。待機中の動作も非常にかわいい。 ステージの途中ではプレイヤーキャラクター以外のメンバーが休んでいたりするが、それぞれに個性があり楽しませてくれる。 前述の通りラスボス戦はガチ勝負なのだが、それを乗り越えると最後には必殺技で締めくくる、と熱い演出もある。 ボス戦でのノルマ回復など厳しそうに見えるが、正解していけばいつかは必殺技が発動するため、先へ進めずに詰むといった事もない。 ギリギリで必殺技が発動し、クリアできた時など爽快感もあり楽しい。慣れればボス戦で必殺技を使うため、わざと回答を遅らせてゲージを維持するといった戦略を取ることも出来る。 タキシード仮面やちびうさとほたるのお店で貰えるアイテムなどはどれも強力な効果で、救済は非常に多い。 問題点 前述の通り、マップ上に罠が設置されている場合があるが、回避する方法は基本運頼み。 アイテムの置いてあるマスに止まれなければ意味がないので回避が難しい。ただし、一定数先へ進めたりするので、ボーナスを気にしなければ有用な場合も。 長丁場になりやすい ステージ攻略は当然サイコロの出目に左右されるが、ステージ数も多めで場合によってはかなり長時間のプレイを強いられる事となる。 クイズの内容もやたらマニアックな問題があり、ハマると中々先へ進めない事も。 前述のように必殺技があるので、いつかは進めるようになってはいるが。 ちびムーン、プルート、サターンが使えないのは少々残念。 特にサターンはラスボスである土萠教授と最も因縁が深いキャラクターなので使いたかったところである。 総評 難易度はやや高めながら、原作愛にあふれたゲームデザイン、アニメーションなどが楽しませてくれる良作クイズゲームである。 内容や展開は非常に出来が良いのだが、セーラームーンブームも下火になっていた頃の制作であるだけに、残念ながら家庭用には移植されていない。しかし、現在でも稼働しているゲーセンが確認できる。 攻略には根気が必要だが、デフォルメされたキャラクターたちを見るだけでも楽しめるので、一度はコインを入れてみたい衝動にかられるだろう。 余談 本作をプレイステーションかセガサターンに家庭用移植する企画があったようだが、結局実現しなかった。 1997年2月にアニメ版が終了して以降、関連作品も一気に少なくなっているので、ゲーム出来とは関係なくブームの下火が原因なのかもしれない。
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パペッティア 【ぱぺってぃあ】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 SCEジャパンスタジオ 発売日 2013年9月5日 定価 ディスク版 5,980円ダウンロード版 4,900円(共に税込) 判定 良作 SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 あらすじ 特徴・評価点 システム 世界観・演出 キャラクター オマケ・やり込み要素 難点 総評 その他 概要 劇場をモチーフとした独特な世界観のアクションゲーム。 ゲーム自体は比較的オーソドックスな2Dアクションだが、劇場を意識した作り込まれた舞台演出と、小ネタ満載の物語が特徴。 あらすじ 月の女神に可愛がられていたリトルベアはある日突然、女神の『ムーンストーン』と魔法のはさみ『カリバス』を強奪し反乱、ムーンベアキングと名乗り女神を撃退する。 そして、ムーンベアキングが王位を簒奪して以後、月は闇の世界へと変貌を遂げてしまう。 それから3年、ムーンベアキングは地球から子供の魂を攫っては自身の部下である闇の軍勢へと変えていた。 主人公クウタロウは同じように地球から攫われ、魂を人形に入れられた上、頭をもぎ取られてしまう。 どうしようもないクウタロウは『カリバス』と『ムーンストーン』を狙う月の魔女に拾われ、彼女の手引きで『カリバス』を盗み出す。 そしてその際、ムーンベアキングに捕らわれていた太陽の妖精ピカリナを助け出したクウタロウは地球へ帰るため、彼女とともに打倒ムーンベアキングの冒険へ旅立つのであった。 特徴・評価点 システム 本作のアクションは、聖なるはさみ『カリバス』を使ったカットアクションが特徴となっている。 ステージ内にはカットすることができるモノが多数配置されており、これらを切ることで進んでいく。 ジャンプ中にカリバスを使うと「エアカット」となり一時的に浮遊することができ、また何かを切り続けている限り飛び続けられる。 後半のステージではほとんどこれのみで進行する構成のステージも存在する。 また、「レールカット」という、縫い目のような点線に沿って自動で切り進むアクションもある。 次いで特徴的なのが、『ヘッド』。 本来のヘッドを失ったクウタロウは、冒険の最中様々なヘッドを入手し自分の頭として使っていくことになる。 新たなヘッドは、ステージ内の特定の場所を調べたり、イベントなどの際に入手できる。また、ステージ内に浮遊する「ヘッドポット」からはすでに入手したことのあるヘッドをランダムで入手できる。 ヘッドの数は100に上り、収集要素としての側面も持っている。 ヘッドごとに違う能力が備わっているということはないが、それぞれ固有のヘッドアクションがあり、特定の場所で特定のヘッドのアクションを行うことで、様々なギミックが発動する。 ボーナスステージへ行く、大量のムンピー(マリオのコインのようなもの)を入手できる、別ルートやショートカットの出現、ボス戦で楽ができる等々。 ヘッドは3つまでストックでき、ストック3つの状態で新たなヘッドに触れると、その段階で装備していたヘッドに上書きされる。 アクションポイントで必要なヘッドを潰してしまうこともあるので、ヘッドを取るか、取るなら何を潰すか等状況によって取捨選択をしていくことも大事。 とはいってもアクションできなかったからと言って重大な問題が生じるわけでもないが。 ダメージを受けるとヘッドは体から飛んで行ってしまい、3秒以内に拾えないと失ってしまう。穴に落ちたりしても1つ失ってしまう。ヘッドが1つもない状態になると1ミスとなる。 この仕様のためライフを失うことはあまりない。そのライフも初期値が多めな上、普通にプレイしているとみるみる増えていく。もっともそれ故ヌルゲーというわけではなく、それだけダメージを受ける機会が多いとも言える。 ヘッドには付け替えていくものの他に、ストーリー進行で入手する「ヒーローヘッド」という特殊なものもある。 攻略上重要なアクションが行えるようになるもので、全てで4つあり、ヘッド交換の必要がなくいつでも使えるものである。 ゲーム中ではクウタロウ以外にサポートキャラも操作することになる。最序盤のみ猫のインヤン、以降は太陽の妖精ピカリナとなる。 サポートキャラは無敵かつ画面内を縦横無尽に飛ぶことができ、ステージ内に多数仕込まれているギミックを捜索する役目を担う。 2Pプレイの場合、2Pがサポートキャラを操作することになる。1Pプレイ時は画面内の捜索程度しかできないが、2Pプレイ時は、敵への攻撃やヘッドの回収、障害物の排除など行えることが大幅に増加する。 これにより、2Pプレイでは大幅に難易度が低下する。しかし、仕込まれたギミックの多さから、あれやこれやと二人でワイワイ盛り上がりながら進めるという、1Pプレイとは少々趣の違ったプレイができる。 また、2Pのやれることが多いため、メインとサポートという形態ながら、2Pが暇になることは少ない。 ちなみに、サポート以外にもクウタロウからヘッドをもぎ取ったり、回収したヘッドを投げ捨てたりと、一種の妨害も可能。 顔が見える距離だから面白いが顔が見えないと感じが悪すぎるという理由でオンラインプレイは断念された。 ボス戦では、とどめの際などにQTEが挿入される。あまり良い印象を持たれないQTEだが、ネガティブな面を極力抑える努力がなされている。 失敗するとダメージ判定となるが、ボタンが表示されるとスローになるため意外と余裕があり、その時間制限も分かるようになっているなど、取り立てて厳しいものではない。 また、唐突にQTEイベントが始まるのではなく、プレイヤーのタイミングでイベントを開始させるようになっている。 また、QTEイベントではクウタロウとボスのダイナミックな立ち回りが繰り広げられており、没入間を高め飽きさせないものになっている。 難易度設定はなく、1Pプレイではそこそこ歯ごたえのあるアクションゲームとなる。 上述の通り2Pプレイでは難易度は優しくなる。 SCEファーストタイトルなので3Dテレビ・PSmoveにも対応している。 舞台劇(下記参照)という設定で、且つムービーやカットシーンでダイナミックに動きまくる本作は、3D表示と抜群にマッチしている。 PSmoveも同様で、ピカリナの操作とmoveとの親和性は非常に高い。 世界観・演出 本作は劇場をモチーフとしており、ゲームの物語自体が劇場で公演されている演劇であるという設定である。登場キャラクターも演劇に出演している演者であり、メタ的な発言も多い。 タイトル画面ではナレーションによる劇場案内や諸注意が流れる。何パターンかあり、放置しているといろいろ聞ける。 また、ステージセレクト画面でも、放置しているとナレーションによるガイダンスや出演を待つ舞台裏のキャラクター達の会話が流れる。こちらは5分程度放置している必要があり、普通にやっていたら恐らく気付かない。 後でもう少し詳細に語るヘッドストーリーでは、劇中の役ではなく演者としての設定が語られる楽屋ネタも多い。 物語上では相当数の小ネタが仕込まれており、「私の魂の名前がそんな俗っぽいはずがない」「わふー!」「ビックウェーブに!」といったパロディネタも豊富。 中にはディ○ニーを意図したようなかなり危ないものもある。 演出面でも劇場は強く意識されており、画面は常に観客席から舞台を見る視点で固定されている。 2Dアクションだがスクロールはせず、舞台装置が転換してステージが進んでいく。 ムービーシーンでも舞台装置の転換によりアングル変更が行われる。 ライティングなどの演出や紙吹雪などで表現される効果などは本物の舞台を参考にしており、リアリティがある。また、舞台上のセットはあえて作り物としての手作り感が意識されて表現されている。 ムービーシーンでは、個々のリアリティは維持しつつ、ゲームならではの現実ではあり得ないダイナミックな動きをする舞台装置も見られる。 転換して新たなセットが登場する際は、全ての小道具がちゃんとそれぞれ揺れ動いており、細かなところまで作り込まれているのがよく分かる。こういう細かいところに注視してプレイしてみるのも面白いかもしれない。 作中では狂言回しのナレーションの他、要所要所では観客からの歓声や笑い声も入り、本当に劇場で劇を見ているような没入間を味わえる。 ステージ開始と終了時、またはステージ中にムービーが挟まれるのだが、このムービーは大作IPや大作CGアニメも真っ青なくらい、とにかく洒落にならないほど動きまくる。そのクオリティは何度見ても飽きないほどにずば抜けて高い。 使用されているBGMは、「メリダとおそろしの森」や「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」等を手掛けた作曲家、パトリック・ドイルによるもので、捨てる曲が全くないほどの名曲揃いである。 サウンドトラックを望む声も多いが、残念ながら2017年現在未だ発売されていない。 ストーリー自体は月を舞台としたファンタジーである。 本作における月は生命溢れる世界であり、森や海、荒野や町など様々なステージを進むことになる。ロボットや工場、宇宙のようなSF色の強いステージもある。 ちなみに、コメディ的な演出や満載の小ネタからコミカルな作品だが、世界観の本質はダークファンタジー寄り。冷静に見てみると実はエグイ描写も多い。 お笑い要素もブラックジョークは少なくない。 キャラクター 本作は各キャラクターもよく作られており、個性豊かな面々がひしめいている。 本作を語るうえで欠かせないのは、劇場支配人で本作の案内人としてナレーションを務める、藤原啓治演じるミスターGだろう。 ストーリー進行に伴う物語の語りの他にも、ギミックやステージに関連はしていても物語的にはどうでもいいことを語り始めることも多い。むしろそちらの方が熱が入り、おかしなテンションになっていることもある。 ボーナスステージでは特に顕著である。おかしな語りに耳を貸しすぎてタイムアップなんてこともある。 狂言回しの域を超えて劇中へツッコむことも。 ちなみに、本作は海外版が先に収録されており、そちらではダンディな感じだったらしいのだが、日本語では同じ雰囲気ではイメージに合わなかったため、藤原啓治が起用され軽薄さもあるキャラクターとなったとのこと。 もう一人欠かせないのが、クウタロウのサポートキャラクターとして冒険に随伴する、松岡由貴が演じるピカリナ。 関西弁で話し、ギミックを動かしたりして画面内に動きがあるとことあるごとによく喋り、よくツッコむ。 ナレーションにツッコんだり言い合いをしたりと、最もメタ的な発言の多いキャラでもあり、プレイヤーの間ではカワイイと評判。 ちなみに声優の松岡由貴は関西出身である。 この二人が特に凄まじくセリフ量が多いが、他のキャラクターもステージ中なにかと喋る。 月の魔女エズマー・ポッツ、魔女の飼い猫インヤン、ムーンベアキング、その部下の12人の将軍、その他ステージ毎の脇役などキャラ数は地味に多いがそれぞれしっかりキャラ立ちしている。 特に月の魔女はチュートリアルの度にコスプレする等いちいち芸が細かい。チュートリアル中にR2で触ったり攻撃したりすると、専用のリアクションを取ってプレイヤーを大笑いさせてくれる。 他に特徴的なキャラクターなのが、雑魚敵である「デク」。蒸気機関にあくせく石炭をくべたり、クウタロウを攻撃するための仕掛けに自分が巻き込まれたり、タコの人形に頬ずりしたり、自分が作った雪玉に巻き込まれて転がったりと、画面の何気ない部分でコミカル且つ微笑ましい動きをし、プレイヤーを和ませてくれる。 ちなみに、主人公クウタロウは本来のヘッドを失い、様々なヘッドを代用しながら進んでいくため、一切セリフはない。 ただし、コミカルに動き回り感情を豊かに表現しているため、個性的な面々に囲まれながらも埋もれてしまってはいない。 参加している声優は実力派の方々で、その演技も演劇的なものになっている。 オマケ・やり込み要素 ステージ開始時には、回収したヘッドの数、助けた子供の魂の数、ボーナスステージの発見およびクリアについてが表示される。 上述の通りヘッドは100種類あり、ヘッドコレクションで入手したヘッドを閲覧することができる。 ここではヘッドストーリーという、各ヘッドにまつわるちょっとした話を読むことができる。 キャラの裏話や楽屋ネタ、月の生物の変な生態等々、全体的にネタに満ちたくだらなくも面白い話が並んでいる。 しかるべき場所でヘッドアクションをしたかどうかも表示されており、集めるだけでなく実際に使用するというやり込みもある。 入手できていないヘッドについては、ここで入手法についてのヒントを見ることができる。 子供の魂は、ザコ敵のデクや中ボス的な存在のボロには子供の魂が詰め込まれており、これらからすべての魂を開放できたかどうかというものである。 ボスであるボロはともかく、ザコであるデクは分かりづらい場所にいたり、ギミックをしっかり発動させていく必要があったりと見落とすことも多い。 また、攻撃した反動でうっかり穴などに落としてしまうと魂の開放ができなくなってしまうため、足場が悪い場所では上手いこと攻撃する必要がある。 発見したボーナスステージがプレイできるボーナスチャレンジもある。 ストーリー上では発見したもののクリアできなかったものも、こちらでクリアできればクリア扱いとなる。 ボーナス内でヘッドアクションがあるステージも多いが、ボーナスチャレンジでは必要なヘッドを装備した状態で開始でき、加えてヘッドアクションもこちらで初発動でもしっかり登録される。 「絵本」というキャラクターのバックストーリーが読めるオマケ要素もある。各章クリア後に追加されていく。 全編が藤原の朗読である。男も女も問わず藤原が様々な声色で演じている。故に若干シュールな場面も。 しかし、内容自体は全体的にシリアスな雰囲気のお話である。 難点 ムービーは多め。プレイヤーが操作できないパートは比較的多く挿入される。 画面が固定のため没入していると違和感も少ないが、テンポを崩していると感じる人もいるだろう。 また、やり直しの際などは特に煩わしさを感じることがある。 一応細かくスキップすることができる。 ヘッドは数が多いが、結局のところ収集要素でしかなくなっている面が強い。 ゲーム自体はオーソドックスな2Dアクション。 綺麗なグラフィックと独特の演出でそこに留まらない作品となっているが、ゲームプレイ自体は、良くも悪くも無難。 ボス戦も演出はバリエーション豊かで大いに楽しませてくれるが、プレイヤーがやること自体に大した差はない。 世界観に入り込めなかったりアクション優先だと、飽きが早いかもしれない。 敵の少なさ。 上述の通り、主にザコ敵はデクのみであり、その上ステージによってはろくに出てこない。 敵と戦うことに重きがある作品ではないが、その面でのバリエーションの乏しさは目につく。 一応狂暴化した動物といったものもでてくるが、1Pプレイでは避けるしかない障害物であることが主。 ゲーム内で示されるやり込み要素は1Pプレイでも問題なく埋められるが、トロフィーとなると2Pプレイヤーが条件となるものもあり、一人でやり込むと面倒くさい。 一度エンディングを見た後に入手可能になるヘッドのヘッドアクションでサポートキャラを2P仕様にすることができ、それでトロフィー回収もできるので、コントローラーを2つ用意する必要はない。ただし、そのヘッドを装備し続ける必要があり、また一度紛失すると取り直すのが面倒なのでやり辛さは残る。 総評 劇場をモチーフとした今までに類を見なかったゲームデザインが最大の特徴で、その表現・作り込みに対して尽きる事のないスタッフの愛が感じられる作品。 その完成度は極めて高く、ストーリー・BGM・グラフィック・アクション性・ゲームバランス・キャラクター・設定、更にはネイティブフルハイビジョン対応・高く安定したフレームレート・皆無に近い不具合・3D立体視対応・PSmove対応と殆ど非の打ちどころが無い。 あなたがこの世界観にのめり込めるなら、そのプレイ体験は素晴らしいものになるだろう。さぁあなたも魔法劇場へ!! その他 PSNでは体験版の他にリハーサル版というものも配信されている。 これは、「本番(製品)」に向けて準備中のステージやキャラクターを見ることができるというもので、専用のボイス・演出などを伴って進行する特殊なものである。 制作側はプレイできるトレイラーのようなものと表現していた。 これをベースに以下のようなものも制作されている。 2013年8月30日にニコニコ生放送で放送された「電人☆ゲッチャ!」にてこれの為のみ「高橋名人ヘッド」が製作された。 専用のヘッドアクションもある他、ボイスもこれ用に撮り下ろしている謎の力の入れようであった。 期間限定で一時的に、名人仕様のリハーサル版が配信されていた。 2013年11月8日に同じくニコニコ生放送で放送された「NGC『SIREN』10周年記念特別生放送」では、『SIREN』シリーズ10周年を記念して制作された「SIREN 10周年記念バージョン」が公開された。 SIRENの主人公須田恭也のヘッドや屍人のビジュアルのザコ敵などが用意された。ヘッドアクションももちろん完備。 元々身内で行われた記念イベント用に制作されたもののため、声はさすがにキャスト本人ではないが、専用のセリフも用意されており、SIRENファンがニヤリとできる要素も。 こちらは、SIRENシリーズの制作に関わったスタッフが、今作にも多く携わっていることから実現したものである。 配信を望む声も多いが、音沙汰はない。
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ディスクファクスイベントシリーズリンク 機種はすべてファミコンディスクシステムで任天堂発売。 タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定 ゴルフJAPANコース 1987年2月21日 1987年5月10日(*1) SPG FC草創期の1984年に発売された『ゴルフ』をベースにマイナーチェンジ。キャラクターをマリオに差し替えコースを一新。 スルメ ゴルフUSコース 1987年6月14日 1987年8月31日 SPG 上記をベースにコースを一新し、グラフィックを大画面化するなどアレンジを加えた発展形。 スルメ ファミコングランプリ F1レース 1987年10月30日 1987年12月15日 RCG トップビューのレースゲームで24台の豊富なマシンから自分に向いたものを選び最速を目指す。 良 アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール 1987年12月1日 1988年2月29日(*2) ADV 学園生活のドタバタの中で中山美穂と出会い、彼女との愛を育てるアドベンチャー。別名「恋愛シミュレーションゲーム」 良 ファミコングランプリII 3Dホットラリー 1988年4月14日 1988年5月31日 RCG 3D対応。フィールドビューによる抜群のスピード感だけでなく飛んだり跳ねたりもする躍動感あふれるレースゲーム。 良 関連作品 タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定 パンチアウト!! - - SPG 『ゴルフUSコース』イベント参加者10,000名に配布された賞品で、ロムカセットソフトのボクシングゲーム。その後、実在ボクサーのマイク・タイソン氏とタイアップした『マイクタイソン・パンチアウト!!』として1987年11月21日に一般販売された。 良 リサの妖精伝説 1988年6月21日 1988年8月20日 ADV ディスクファクスイベントではないがイベント用青カードを採用。テレフォンサービスでゲーム本編とリンクしたメッセージ配信を行った。 良 帰ってきたマリオブラザーズ 1988年11月30日 1989年5月31日 ACT ディスクファクスイベントでも青カード専用でもないが任天堂公認でキャンペーンイベントが行われたディスクソフト。 良 メーカーは『リサの妖精伝説』のみコナミで他は全て任天堂。 『パンチアウト!!』のみロムカセット。 シリーズ概要 シャッター付の青ディスクカードで発売されたシリーズで、当該のカードの対象ソフトは同じ青ディスクカードでしか書換ができないものだった。 反対に青ディスクカードで『ゼルダの伝説』など、普通のディスクソフトへの書換は可能だったので青カード自体は上位互換である。 青カードは全国400店舗に設置された「ディスクファクス」を介して任天堂とスコアやセーブデータをやり取りすることが可能で、この機能を利用して1987年2月から1988年5月まで全5回のイベントが行われた(期間は発売から大体2~3ヶ月程度)。 ジャンルとしては主にゴルフとレースゲームで、プレイヤーはスコアなどプレーデータをディスクファクスを通じて任天堂に送り、そのスコアやタイムを任天堂が集計しランキング化し、その順位等に応じて賞品が貰えるというもの。 会場に来場して一発勝負となるハドソンのゲーム大会「全国キャラバン」とは異なり、プレー自体はそれぞれが自分のハードで行う形で、その中でベストを競う形になっており「やり込むほどスコアを伸ばせる」という点でも差別化のされたものだった。 任天堂からは「サービスデータ」を受け取るという形式になっており、その時点での暫定ランキングなど途中経過の発表を中心とし、各プレイヤーのメッセージの開示、次回イベントの予告などがあった。 一大イベントということもあって一部(後述)を除いて看板キャラであるマリオが起用されておりマリオシリーズにも数えられる。 第4弾『中山美穂のトキメキハイスクール』に関してはその中でも異色な存在でマルチエンディングのアドベンチャーとなっており、テレフォンサービスとの併用でゲーム本編とリンクしたメッセージをゲーム中に画面で表示された番号に電話してメッセージを聞くことでストーリーの進行を補填したりヒントになるようなものが聞ける趣向が盛り込まれていた。 そのためサービスデータも途中経過のランキング発表等ではなく、進行状況に応じた中山美穂や登場キャラのメッセージなどが主体で中山美穂本人のレコードリリース等の情報も含まれるなど他と一線を隔したものになっていた。また、この作品のみマリオが一切登場しない(*3)。 第5弾『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』を最後に1988年5月31日、このイベントは幕を閉じ直後に発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 後編』の広告に併載する形で発表された。 この時同時に当該イベントは「ディスクシステムの構想を完成させる実験的な位置付け」で行われていたという意図も公表している(*4)。 その実験という言葉にたがわず21世紀現在は進化したオンライン技術を活かし、これを発展させたような形のゲーム大会などは任天堂に限らず日常的に行われている。 ディスクファクスイベントはまさに、そんな現代のオンラインゲーム大会の昭和版モデルだったと言えるだろう。 イベントが絡んでいることもあって残念ながらこれらの作品は移植などもされていないが、その血は後の作品に脈々と受け継がれている。 『ゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』は後の『マリオオープンゴルフ』(ファミコンロムカセット 1991年9月20日発売)に繋がり現在も続く『マリオゴルフシリーズ』の原点と呼ばれている。 『ファミコングランプリ』に始まったマリオのカーレースゲームは後の『スーパーマリオカート』(スーパーファミコン 1992年8月27日発売)に繋がり、以後『マリオカートシリーズ』として新ハード毎に新作が発売されている。 イベントを抜きにしてもゲーム自体も任天堂作品らしく非常に良質なものが多く、現在でもレトロゲーム愛好家に好まれているカテゴリの1つでもある。 対象ソフトの説明書には日本全国のディスクファクス設置店舗がズラリと一覧で載せられている(*5)。 あれから長い年月を経た現在では失われた店舗が少なくはなく、今見返してみれば記憶の片隅で忘れかけていた懐かしい店の名前に出会えるかもしれない。 番外的な存在として当該イベントではないが、イベントが終了した1988年6月にコナミから青カード専用ソフトとして発売された『リサの妖精伝説』がある。 『中山美穂のトキメキハイスクール』を踏襲し、ゲーム本編とリンクしたメッセージをテレフォンサービスで配信するという形式が取られている。
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美少女戦士セーラームーンSuperS 真・主役争奪戦 【びしょうじょせんしせーらーむーんすーぱーず しんしゅやくそうだつせん】 ジャンル 対戦格闘アクション 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売元 エンジェルメガハウス 開発元 キッド 発売日 1996年3月8日 定価 5,800円 プレイ人数 1人~2人 判定 クソゲー ポイント アニメ版への過剰尊重仕様故にあまりにも遅い必殺技ほぼ全要素で隙のないクソさファンアイテムとしても微妙BGMだけ素晴らしい謎の歌い手の正体は……? 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 問題点 CG ゲームシステム ゲームバランス その他の問題点 評価点 総評 その後の展開 余談 概要 当時少女を中心として社会現象に発展した漫画・アニメ『美少女戦士セーラームーン』の格闘ゲーム第3弾。3DO『美少女戦士セーラームーンS』のシステムをベースにしたアレンジ移植かつフルモデルチェンジ作品。 『セラムンS』は技などの一部の要素をSFC『美少女戦士セーラームーンS 場外乱闘!? 主役争奪戦』から引き継ぎ、本作はさらに多くの『場外乱闘』の要素を引き継いでいる。そのためどちらとも違った作風となっている。 プレイヤーキャラクターは、スーパーセーラームーンとスーパーセーラーちびムーン、そして内部四戦士と外部四戦士の合計10人。 ドジなムーンの代わりに、誰が主役にふさわしいか勝負で決めるというストーリー。 『セラムン』ゲームシリーズでは初となるプリレンダ3DCG+モーションキャプチャを採用している。 SFC『場外乱闘』は初心者から上級者まで楽しめる大変優れた格闘ゲームとして評価され、キャラゲーとして見てもグラフィックやBGM、迫力ある技演出も悪いものではなかった。 3DO『セラムンS』は格闘ゲームとしての評価は高くないが駄作とする声もそれほどなく、キャラを美しいセル画で描いているといったキャラゲーとして見ればおいしい要素が豊富である。 だが肝心のゲーム内容は格ゲーとして最低最悪の出来であり、キャラゲーとしてもすすめにくい紛う方なきクソゲーである。 問題点 CG パッケージのムーンから独特なオーラが放たれていることから分かるようにCGのクオリティがひどい。 電源をONにすると、いきなりとんでもないムービーを見せつけてくる。 冒頭でムーン達がイバラに囚われているが、このシーンのムーン達が不気味極まりない。マネキンにしか見えず、得体の知れない不安感に襲われる。 笑顔のはずなのに無機質で、ハッキリいって全然美少女に見えない。これではキショう女である。 タキシード仮面のアップは一瞬だけだが、その一瞬でヤバさを理解できてしまう。 OPムービーはかっこよさを演出する意図は理解できるが、完全に技術が追いついていない。 『セラムンS』のムービーの技術も低かったが、あちらは一部をアニメにしていたり、戦士達の必殺技演出の評判は悪いものではない。 ゲーム中はプリレンダモーションキャプチャーのセーラー戦士達が動く。こちらも全く可愛らしく見えない。はっきり言って気持ち悪い。 画面に比べて小さく描かれており、その分顔面崩壊している。 さらに動き方がカクカクしているのにクネクネしている奇跡のグラフィックとなっている。まるで操り人形である。 特にジュピターに至ってはモーションの出来が悲しいほど酷く、ウラヌスに至っては何処ぞの裸芸人を彷彿とさせる動きである。 勝利時はもちろん、敗北時にもポーズを取るのだが、本来なら可愛いポーズなのに微塵も可愛くない。 初回限定生産版はピクチャーレーベル。ムーンのCGが描かれている。だが全く嬉しくない。 通常版は戦士達の星の記号が描かれている。こちらの方が可愛い。 何故こうなったかと言うと「当初は3DO版と同様のセル画にする予定だったが、お偉いさんが『流行りのCGにしよう』と提案したから」らしい。なんという失言をしてくれたんだ……。 同年に同じコンセプトで発売されたPS挌ゲーの『あすか120%スペシャル BURNING Fest』はまともな美少女であるため、本作の美少女達がいかに酷いかよく分かる。 ゲームシステム キャンセルシステムがない。華麗なキャンセルコンボは不可能。 あるにはあるが、連打キャンセル、バックステップ中に必殺技でキャンセル、小技を空振りキャンセルしての投げのみ。 連打キャンセルの仕様がおかしい。 連発中の技で固定される。例えば近距離用パンチで始動すると、遠距離になっても近距離用のパンチしか出せない。 もちろんパンチからキックに変更することも出来ない。 当然立ち技としゃがみ技の変更も出来ない。 回り込まれても振り向かない。隙だらけ。 遠く離れた後ろにいる相手を攻撃しようと、近距離技を絶え間なく繰り出す姿はシュールである。 ジャンプ攻撃のヒット、ガード問わず、自分が跳ね返ってしまい、飛び込みコンボが不可能。 着地ギリギリで当てれば跳ね返らずに済むが、着地のモーションが完了してニュートラルポーズに移行しなければ一切の行動が出来ないので、結局飛び込みコンボはどう頑張っても不可能。 ジャンプが組み込まれている必殺技は着地時の隙がほぼ無い(皆無?)が、それらの必殺技から追撃することは出来ない。 ジャンプ状態になる必殺技を連続ガードされると(?)、跳ね返りがかなり遅くなる現象がある。 滞空中に攻撃を受けると問答無用でダウンしてしまうため、起き攻めの起点にされると辛い。うかつなジャンプは自滅行為に等しい。 しゃがもうとするとモーションを完了させなければ何も行動出来なくなる。 このせいでしゃがみ技が使いにくい。回避できる立ち技が少なくないことを考慮しても、通常技の差し合い、つまり地上戦に向いているとは言い難い。 利用価値があるしゃがみ技は、スライディングを潰すための小足、一部の対空用大P、ダウンさせられる大足くらい。 しゃがみモーション自体が遅いという追い打ちもある。 しゃがみ状態から立ち上がる時にも、操作を受け付けない隙が出来る。 相手が空中にいると、立大Pと屈大Pが勝手に対空用の技に変化する。 便利だと思うかもしれないが、本作の対空技は信用しにくく、変化前の大Pの方を使いたい時は少なくない。 ジャンプ直後に技を出せない。判定が広いヴィーナスのPでさえ地上の相手に当たらない。挌ゲーのテクニック「しゃがみガードで強固な守備を維持する相手の守りを崩せる昇り技」は出来ない。 振り向きモーションを完了するまでの間は何一つ行動出来ない。 他のゲームよりも明らかにモーションが遅い。キャラによっては目測15フレームはある。 後ろから攻撃されてダウンし、ダウン中に相手が正面に回ってきた場合、起き上がり後に相手が正面にいるにもかかわらず後ろに振り向き、やっぱり誰もいないので再び振り向くというマヌケかつ隙だらけな姿を見せつけてくる。 食らいモーションの終了直前に謎の無敵状態がある。 連打キャンセルはきちんとコンボになる。 ヒットやガードの硬直中にも投げられ判定がある。つまり小から投げを「ガードも回避も不能の連続攻撃」に出来る。 投げを完全なるコンボのパーツとして組み込めるゲームは珍しい。 相手を投げ飛ばす方向を選べない。 全キャラ共通で投げコマンドが前進方向+大Pになっているせい。後退方向や大Kでも投げられたら良かったのだが。 自分の飛び道具が残っている間は飛び道具を撃てないのは格ゲーでは普通のことだが、本作は飛び道具以外の必殺技も発動出来なくなってしまう不思議なシステムがある。 ダウンから起き上がる時、ニュートラルポーズになるまでは、小技などの一部の技に対してガード出来ない無防備な状態になっている。 ニュートラルポーズを経由する必要があるので、直接しゃがみやジャンプをすることは絶対に出来ない。ゆえに下段ガードやジャンプ回避が出来ない。 ガードの仕組みが摩訶不思議で混乱をさけられない。 ガードに移行する引き金となった技の動作が終了しなければ、ガードを解除することができない。 相手がなにかの技を出す→ガード状態になる→ガードもしくは空振りする→技の動作が終わっていない→ガード状態のまま動けない→技の動作が終わったと同時にガードが解ける。 逆に攻撃判定が残っていても相手の動作が終了していればガードが解ける。要するにガード不能技がある。 ガード開始から一定時間経過で一瞬ガードが解除される。しかも「ガード不可能になっているのであって、ガード動作自体を解除したわけではないから、ガード動作を完全解除して自由に動くことは出来ない」状態である。そのため出が遅い技の開始時にガードすると、何ひとつ行動できずに、攻撃判定出現の瞬間にガードが解けて喰らってしまう。ガード成功でガード能力有りの時間が延長されることもないので、小連打キャンセルをガード出来ずに喰らいまくる。 各技にはガード移行可能な間合いが設定されている。ガード移行可能距離より、攻撃判定のリーチの方が長いとガード出来ずに喰らってしまう。 攻撃判定出現がとても早い技を接近した状態で使われるとガードモーションへの移行が間に合わず、なすすべもなく喰らってしまう。 全キャラのほとんどの技が上記の「技動作終了でガード不能」、「技開始時にガードで途中解除」、「遠距離で技開始でガード移行不可能」、「近接でガードが間に合わない」の性質を持っている。 立ちガード状態だとしゃがみガードへの変更が不可能。逆も言える。 相手に背を向けている時のガードの成否は、また別なものとなっている。 ガードの入力は「相手の反対方向にキー入力」ではなく「自キャラの向きと反対方向にキー入力」である。 下段判定になっている技が非常に少なく、足払いですら立ちガードできてしまう。 どうやらキャラによって上段と下段の食らい判定が異なっているようだ。 必殺技コマンドの説明が「右向き時の場合」であるのは他のゲームも同じだが、本作は「本当に右向き時の場合の入力」である。 他のゲームは「キャラの向き」は無関係で、実際は「相手キャラの位置より左にいる場合であって、キャラの向きが左右どちらでも何の関係もない」である。本作は正真正銘「キャラが右を向いている」となっている。 一歩進むという歩行モーションを完了するたびに一瞬立ち止まる。そのせいで歩行動作中の速度と比べて、実際の移動速度が遅く、クネクネしたキャラグラフィックにカクカクが追加される弊害にも。 歩く動作を完了させなければ立ち止まらないかも、と期待してもムダで、小刻みに動いても一瞬立ち止まってしまう。 どういうつもりか、ほとんどのキャラが前進より後退のほうが速いミステリー仕様。 ここまでで悟った人もいるだろうが、モーションが完全に終わるまでは操作不能になるものばかり=動きがもっさりしていて、操作性もゲームテンポも非常に悪い。 ACSの項目が、攻撃がパンチとキックに細分化、投げ技が追加されて合計8つ。持ちポイントは難易度により15~30に変化(対戦モード時は30で固定)し、15まで割り振れるようになった。しかし1ポイントごとの強化は大したことがなく、ポイント配分のバランスも悪い。 『場外乱闘』では合計6つ、1ポイントごとに約1.08倍に強化、最高で5ポイント、持ちポイントは10~20となっている。むだに種類が増え、相対的にポイントが減少したのに、効果が薄くなっている。 説明書ではパンチ、キック、投げ技が「攻撃力を高くします」と全く同じの投げやりな説明文となっている。 ゲームバランス 飛び道具系必殺技の出が遅すぎる。発射に数秒かかる。 「ボイスに合わせた、アニメを見ているかのような丁寧な演出」と言えば聞こえはいいが、テンポ感が重視される格闘ゲームにおいてがテンポを阻害するだけの要素でしかない。 大で発動するとさらに隙が酷くなる。だが大でないとダウンさせられないものもあり、小で撃つ価値がなければ大で撃つしかない。そこまでするほど大に価値があるかは疑問だが……。 弾の判定や軌道に個性があるが、それを利用した戦術を考える余地のないほど隙がある。 実は弾だけでなく、体(にまとったエネルギーやかざした武器)自体にも攻撃判定がある。弾の発射前後でも命中させられる。一部は連続ヒットもさせられる。しかしそれで隙を補えているかと聞かれると……。 しゃがんだだけであっさり回避できたりするほど簡単にガードや回避が出来るが、操作性が悪いので甘くみているとガードや回避に失敗することもある。 アニメでは必殺技が遅い設定は無い。そうでなければ敵の攻撃がすんでのことで命中する時に必殺技を開始してギリギリ間に合う説明がつかない。 超必殺技は通常の飛び道具よりも隙がある。キャラの組み合わせによっては、画面端で発動させたのに、画面端にいる相手が接近してきて、何もできずに超必殺技をつぶされてしまうほどである。使い物にならない。 そのかわりに威力が高い。それもACSの力を借りずとも約半分の体力を奪ってしまう壊れた威力である。 ガードさせればいい方だが、削り量はかなり少ない。 ガードの仕組みが特殊なので、近すぎていたり、逆に遠すぎるとガード出来ずに直撃する。 超必殺技は飛び道具ばかりで面白みに欠ける。 飛び道具属性ではない体術の必殺技もあるが、多くは飛び道具よりはマシ程度の性能。 全体的に通常技のリーチが短い。武器を持ったプルートとサターンですら何の冗談かと疑うほど短い。 ヴィーナスの遠立大Pはチェーンによる攻撃でリーチがトップクラスなのだが、そんな技でも画面全体で考えると短いとしか言えない。 しゃがみ技は立ち技よりもリーチが短いものが多く、しゃがみ動作が完了するまで行動不能になるのも相まって、大足等の一部の技しか使い道が無い。 対空技の判定が真上にしかないものが多く、少し遠くからの飛び込み技を迎撃出来ないことがしょっちゅうある。 「相手が空中にいると勝手に変化する大P」の中には真横にしか判定がないものがある。対空として活用出来ない対空技とは何なのか。 空中戦の意義が薄い。 空中技は小なら動作が素早いが攻撃がすぐに終わって威力が低く、大なら持続が長くて威力が高いが動作が遅い。ここまでは妥当な設定だが、飛び込みコンボが不可能であっては空中被ダメ→ダウン→起き攻めによるハメの危険を無視出来るほどの利点は少ないとしかいえず、飛び道具等の隙を突いて一発当てる、という使い方しか望めない。 いくら対空技が使いにくくとも、飛び込みコンボを警戒する必要は無い。あえて攻撃せずに飛び込んでガードを固めた相手を投げるいわゆる空ジャンプ戦法も「着地モーション完了まで身動き出来ない」という仕様によって役立たず。他のゲームでは基本の「地上の対空技が弱ければ、空中技で迎撃すればいい」は、ジャンプ直後に技を出せないシステムの本作には当てはまらない。よって確実に迎撃できる状況でなければガードで安定してしまう。 J技が終了したら再び技を出せるシステムだが、それを活かせる状況はまずない。 前述で軽く触れていたが、モーションが終了するまでの間は移動も技もガードもできない無防備な状態になっているものだらけ。そして起き上がり時にガード不可能な技の中には転倒効果付きのものがある。つまり起き上がりに転ばせる技を重ねるだけで、脱出不可能な、完全なるハメが成立する。そしてハメ技は全キャラが持っている。 格闘ゲーム界の『デスクリムゾン』と呼ばれる有名クソゲー『THE MASTERS FIGHTER』でも採用されているが、本作のほうが先取りしている。 あちらはタイミングがシビアなのだが、本作は「振り向き動作が完了するまでに攻撃を食らった場合は、振り向く前の方向に戻された上に振り向き動作をはじめからやり直さなければいけない」システムなので、一部のキャラのハメはとっても簡単にできる。 理論上は「振り向き動作中の完全無防備な瞬間に大足を当てる」でどのキャラでも大足ハメが成立するが、振り向き開始と同時に大足を開始して、振り向き終了より先に大足を当てるのは困難か不可能。 無抵抗の相手を延々と、いや、永遠にハメられるのは格闘ゲームとしてバランスが壊れていると言わざるをえない。 「全員がハメ技持ちなら、不利な相手でも終わらずに済むから、逆にバランスがとれている」と考えることもでき、実際に『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』がそのバランスであるとされているが、本作では通用しない。何故なら通常技のけん制力に欠け、情けない性能の必殺技しかなく、移動能力も起き上がり速度もダメなちびムーンがあまりにも弱いからである。 セーラー戦士達の特徴及び問題点 + 長いので折り畳んでいます 月野うさぎ(スーパーセーラームーン) 通常技が使いやすく、起き上がりが早い。「ムーン・ティアラ・アクション」は飛び道具としては高性能だが役立つかは何とも言えない。「ムーン・スパイラル・ハート・アタック」は存在意義が不明なほど隙だらけ。「お願い!銀水晶!!」は飛び道具属性の対空かつ無敵技だが、横への判定が狭すぎる。超必殺技の「ムーン・ゴージャス・メディテイション」は驚愕の隙がある代わりに威力が高くて謎の無敵時間を持つ。 ハメ技は大足。ただし通常はヴィーナスにしか通用しない。しかし画面端を背にして、投げで相手を画面端に飛ばして、後方から大足で全キャラをハメられる。そのかわりガード不可能及び大足が連続で当たって二段目がガード不可能になる間合いはシビアで、大足の先端がギリギリ当たるようにする必要がある。 ちびうさ(スーパーセーラーちびムーン) 最弱キャラ。通常技の判定が狭すぎて差し合いが非常に不利で、長所の食らい判定の狭さのみではいかんともしがたい。他のゲームのチビキャラと違って移動性能も劣悪。起き上がりが遅いのも厳しい。「ピンクシュガー・ハート・アタック」も「ルナPアタック」も意味不明性能。空中必殺技の「スウィンギング・マシュマロ」は空中技で跳ね返るシステムと空中で静止して「スウィンギング」とゆっくり言い終えてから攻撃する物理法則無視かつ無駄な演出のせいで使わない方がまだマシなレベル。超必殺技の「トゥインクル・エール」は高威力+ガード不能+追尾性能だが、相手が前進したり、早めにバックステップするとガードか回避され、発動の遅さを狙われる危険もある。小足を連発された瞬間に、何も出来ずに敗色濃厚という凄まじいキャラ。 ハメ技である大足がスライディングなのでこれさえ当たってくれれば勝ち目を見いだせるかもしれない。だが、相手にめり込んで左右の位置が入れ替わり、しゃがみ状態での振り向きの遅さとスライディングのリーチの問題でハメられなかったり、それを回避するための「しゃがみから立ち動作→振り向き動作→しゃがみ動作」も遅かったり、正面からでも歩行の遅さで起き攻めが間に合わなかったり、そもそも小足連発の壁に大足を阻まれたり……。なおサターンには不安定(フレーム単位で上段と下段が変化するのか、他に条件があるのかは不明。)で、ちびムーンとプルートに対しては大足ハメが効かないが、ちびムーンには近小K→投げハメが有効。 水野亜美(セーラーマーキュリー) 全体的に小のリーチが短く、けん制は大振りな大がメインになるが、大足は判定も動作も優れている。移動と起き上がり速度も優秀。シャボン・スプレーは使い道があるか怪しい。「シャイン・アクア・イリュージョン」は判定の広さとダウン性質があるが、隙が大きい。「リバース・ブレイク・ステップ」は移動技かつ接近して出せばガード不能というネタがあるが魅せ技の域を出ない。「マーキュリー・アクア・ラプソディー」は使えない超必殺技。 画面端に追い詰めて小イリュージョンの発動及び発射直後を当てるのがハメ技で、全キャラに有効。威力が高いのでハメ殺すまでに時間はかからないが、何回もタイミングよく発動するのは難しいか。 火野レイ(セーラーマーズ) 通常技のリーチが長く、JPはお札を投げる技なのでリーチがある。起き上がり速度に問題あり。必殺技は全てダウン効果を持つ。「ファイヤー・ソウル」はしゃがみで回避されるのが辛い。弾を何発も撃つ「バーニング・マンダラー」は発射さえ出来れば強い。「ファイヤー・ヒール・ドロップ」は隙が少なくてダウンを奪える、使い所がある貴重な必殺技のひとつ。「マーズ・フレイム・スナイパー」は判定が狭く、ちびムーン相手だと立っていても回避されておしまいという超必殺技。 画面端を背にして、逆に相手を端に投げ飛ばして、後ろから大足ハメできる。ガードされない間合い調節はムーンよりは易しい。また正面からでも、遠距離から(?)大足の二回目の判定(連続ヒットではなく、二回目に発生する攻撃判定。)を当てれば全キャラ(?)をハメられる。 木野まこと(セーラージュピター) 攻撃力が高く、投げの隙が小さくて起き攻めしやすく、起き上がりが早い。反面通常技が遅いものが多い。「シュープリーム・サンダー」と「スパークリング・ワイド・プレッシャー」はダウン性質を考慮しても使えない。「ジュピター・ダブル・アクセル」は移動かつ対空技だが活躍するかは不明。「ジュピター・オーク・エボリューション」は上下左右に弾を撃つが低威力で、バックステップであっけなく回避される悲しい超必殺技。 画面端に追い詰めて近小P(ちびムーンにはK)→投げでハメられる。ただしサターンには通用しないあるいは困難。大足がギリギリ届く間合いからなら全キャラに対して大足ハメ可能? 愛野美奈子(セーラーヴィーナス) 通常技の使い勝手は良くないが、遠立大PとJPのチェーンの判定がトップクラスの強さで、大足の性能も良好。対空屈大Pは攻撃判定が設定されていないと思われる(!)。起き上がりが遅い。全キャラでハメ耐性がワースト1なのが難点。「クレッセント・ビーム」はどこで使うべきか不明。「ヴィーナス・ラブ・ミー・チェーン」は飛び道具属性で無敵付きの対空技だが、横への判定はほとんど無い。「ヴィーナス・ウィンク・チェーン・ソード」は飛び道具性質で出が遅いが、後半の波動がガード不能。「ヴィーナス・ラブ・アンド・ビューティ・ショック」はごく普通の無用な超必殺技。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して正面から大足ハメが可能。ちびムーンは近小K→投げでハメられる(ネプチューンはムリか激ムズ。)。起き上がりに小ソード→チェーンをガード→ガード不能の波動が連続ヒットしながらヴィーナスに近づく→大足→小ソード~、のハメは不安定もしくは不可能。 冥王せつな(セーラープルート) どういう訳か武器の「ガーネット・ロッド」を使ったP技の多くがリーチが短い。対空立・屈大Pが横にしか判定が無くて理解に苦しむ。移動速度が速く、起き上がりが早い。サターンに次ぐハメられにくさを持つ。「デッド・スクリーム」はしゃがみで回避されない分、他の飛び道具より恵まれている部類か。「アクション・スピンスター」の使い道は特に無い。超必殺技の「クロノス・タイフーン」は上下判定が広いので、発動さえすれば高性能だが……。 プルートとサターン以外に近小K→投げハメ可能で、難易度が低くてやりやすい。 海王みちる(セーラーネプチューン) 技のリーチが短いものの動作の早さは優秀で、特に大足の早さはトップ。通常技と違って、起き上がり動作は長い。「ディープ・サブマージ」は見た目より判定が狭い役立たず飛び道具で、たったちびムーンに当たらずに接近され、大足でハメられてしまう。「スプラッシュ・エッジ」は一瞬無敵になる対空技で使い道のある必殺技だが、攻撃中にもかかわらず地上技で叩き落されてハメられる危険が常に付きまとう。「サブマリン・リフレクション」は弾の出現から発射までに無駄に時間がかかる、どうでもいいただの超必殺技。 後ろに投げて画面端に追い詰めて、背後から大足ハメできる。難易度はマーズと同程度。さらにマーズと同じ理由なのかは不明だが、正面からでも全キャラに対して大足ハメが成立する可能性がある。 天王はるか(セーラーウラヌス) 最強キャラ。通常技のリーチも動作も優秀。大足のスライディングはちびムーンと同じく上段下段の判定が安定しないが、ちびムーンより高性能。攻撃力が高い。移動が素早い。投げの隙が小さく、大足ハメや投げハメに移行できるほど投げ飛ばし距離が短く、相手は背を向けるのでハメ維持も簡単。弱点は起き上がりが遅く、ヴィーナスに次ぐハメ耐性の無さくらい。「ワールド・シェイキング」は存在理由皆無の飛び道具。「ウラヌス・ワールド・アタック」は判定が広い、長い移動距離、高威力、ガードされても多段ヒットで削れる、隙が小さい、大でダウン、反撃されても地上食らい判定になりやすい、一方的に負けることが少なくて大体相打ちになる、変なガードシステムのおかげで空振りしても強制ガード+ガード不能の高性能技。一方的に負けてダウンすることもあるので下手したらハメ殺されるが……。「スペース・ソード・ブラスター」は超低性能な超必殺技で、遠近問わずガード不能効果が全く無くて使ったら後悔する。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して大足ハメが有効。ちびムーンには近小K→投げのハメが有効で、マーズ、プルート、ネプチューンにもギリギリでハメられる。 土萠ほたる(セーラーサターン) 武器のサイレンス・グレイブの存在感が全く無いリーチの短いP技の数々。遠小Pが距離によっては攻撃判定出現時間の長さから2ヒットするが、だからなんだというレベルである。近立大Kはハイキックからの回し蹴りの二段だが、ちびムーン以外には食らいモーション終了直前の無敵のせいで必ず二段目が空振りして反撃確定になる体たらく。移動が遅ければ、起き上がりも遅い。ガード動作時と違って、食らい動作時に投げられ判定が無いか狭すぎる可能性があり、そのおかげで投げハメを回避できる。「デス・リボーン・レボリューション」は飛び道具性質だが弾を発射せず、さらには体の攻撃判定が狭すぎて、相手が密着して技を出してくれて食らい判定を広げて貰わないと絶対に当たらない。「サイレンス・ウォール」は一定時間自分の周囲に飛び道具性質のバリアを張り、上手くやればバリアからの地上技がコンボになる。しかしマーキュリーの大足などのリーチが長い技で一方的に攻撃されてしまう。必殺技に発射系飛び道具を持たない代わりか「サイレンス・グレイブ・サプライズ」は超必殺技の中でトップの発射速度を持つので、何とか当たるチャンスが見つかるかもしれない。 画面端に追い詰めて小レボリューションでハメが可能。マーキュリーの小イリュージョンハメと同じくタイミングを合わせるのは難しくて、相手によっては成立しない?その場合でも、画面端に追い詰めて投げたあと、後ろから大足あるいは近小Pからの投げあるいは小レボリューションで全キャラをハメてしまえる。ただし難易度は高いほうか。 「ウラヌス>他のキャラ(あえて言えばウラヌスに唯一ハメられず、逆にハメてしまえるサターンが準強キャラ)>ちびムーン」と言えば悪い印象はないかもしれないが、キャラ格差は小さくない。 結局本作は「劣悪な操作性に苦しみ、必殺技はほとんど使わず、超必殺技での一発逆転を望むことすら叶わず、危険な空中技は極力控え、不安定なガードにおびえながら、使いにくい通常技の中から限られたマシな性能の技で地味な地上戦をして、どちらかがダウンしたらハメに入って、さっきまでの地道な差し合いがどこ吹く風の一方的で単調で退屈な展開になる」に集約される。 CPUは起き上がりに大足を絶対にガードしない。簡単にハメ殺せてしまう。 通常の攻略ではもちろん、リアルタイムアタックを目指す時にも重要となる。だが終始代わり映えしない単調なプレイで、ネタプレイにすらならない。 CPUは基本的に弱いが、一部の思考が凶悪。 意味なく技を空振りしまくるのだが、接近してこちらが何か技を出そうとすると有無を言わさず投げてくる。 プルートは平然と投げハメをしてくる。 一部のキャラの思考は共通しているようで、延々と大足を繰り返すシュールなパターンが用意されている。 大足連発の優先順位は高くないので、こちらから手を出せばすぐに解除するのだが、油断するとちびムーンのスライディングでハメ殺される。 説明書には難易度によってCPUの強さが変わると書かれているが、難易度を変えてもCPUの強さが全然変化しない。 難易度による変化は、ACSの持ちポイントのみとなっている。 ACSで設定するハンデとなるおちゃめの効果がハンデになりすぎている。 15まで上げると発動確率が尋常ではなくなり、発動タイミングが「ジャンプの着地直後に再びジャンプしないでいる」「歩行しようとした瞬間」というように『場外乱闘』よりも増えている。何とニュートラルだと時間経過でも発動してしまう。 おちゃめポーズに攻撃判定があるが頼りになるはずもなく、プレイヤーの腕にあまりにも実力差がなければ勝負にならない程のハンデ。 しゃがみ状態を維持すればおちゃめが起きないので、強力なスライディングが出来るウラヌスなら勝算がある。 その他の問題点 説明書周りの不備 説明書の技コマンド表はおろか操作方法解説ページにさえガード方法を記述していない。 超必殺技の使用可能条件を説明していない。 格闘ゲームで技等を隠すのはよくあることだが、コマンド表に超必殺技を載せているので、格闘ゲームになじみがない少女は初見では困惑するかも。 説明書の技コマンド表に「オートモードではパンチボタンで発動」と書いてあるが、キックボタンでも発動する。 説明書のマーキュリーのリバース・ブレイク・ステップのコマンドが間違っている。 説明書のキャラ紹介でプルートだけ守護星の解説が抜け落ちている。 説明書のストーリー紹介でいきなりちびうさを「チビうさ」と間違えていたり、説明書の各キャラの声優紹介で、アルテミスが「アルテミナス」になっていたりと誤植が多い。もはやナメてるとしか思えない。 ロードが数秒間もかかる長さな上に頻繁に行われる。 例えば電源ONからオプション設定し、タイトル画面に戻る一連の動作で、OPムービー→読み込み→タイトル画面→オプション→読み込み→戻る→読み込み→タイトル画面、ということになる。 バトルの前後の読み込みも頻繁。試合前のボイス→読み込み→試合終了→読み込み→勝敗ボイス→読み込み→試合前のボイス、こんな感じになっている。 ロード中はルナPが表示される。BGMが一切流れない無音、黒い背景、濃い陰影+生気のない瞳でこちらを見つめる無表情のルナPが数秒間も映し出されるのは軽いホラーである。 練習モードで、2P側のコントローラでポーズしても2Pキャラの必殺技コマンド表を確認出来ない。 『場外乱闘』ではきちんと確認できたのだが……。 ストーリーモードで外部戦士が使用出来ない。 『場外乱闘』と同じく、後半に外部戦士達が飛び入り参加する展開上仕方ないことではある。 ウラヌスが「主役のポジションに興味がある」と発言する。なら使わせてよ、と思う人は多いだろう。 対戦モードなら、対人でも対CPUでも外部戦士を使用できる。当然練習モードでも使用可能。 ラスボスは星ひとつ破壊する力を秘めたサターンではなく、ウラヌスである。 『場外乱闘』でも外部三戦士のリーダー格のウラヌスがラスボスであったが、サターンを差し置いてまでラスボスにするべきなのか? ムービーの内部と外部の戦士たちの必殺技演出ではサターンがトリだが……。 ACSで強化した能力を、キャライラストの頭上にある、赤色の四角い物体の長短で表しているのだが、ただでさえ伸びた部分が何の項目と対応しているか一切説明されていないのに、ムダにグルングルン3D回転していて訳が分からない。 カメラワークが遅く、キャラの動きに反応しにくい。 ステージの中央で戦っているのに、ステージの端をずっと映しつづける光景は珍しくない。 ボイス面の問題 気が抜けるもしくは動作と合わないほど熱のこもったボイスが多い。 「ホイッ!」、「たぁ~」、「わーい(棒読み)」といったやる気が感じられないボイスで全身脱力してしまう。大げさな断末魔や『北斗の拳』のように叫びながらちょびっとだけしか動かないウラヌスのスライディングボイスは失笑モノである。 試合前後のボイスは、無意味に小声なものが多い。 特に外部戦士はボソボソ喋ることが多く、聞き取るにはテレビの音量を上げなければいけない。 ボイスをスキップできない。 第二ラウンド以降もタキシード仮面たち審判の試合開始のボイスが流れるほどボイスが頻繁にある上に、長いセリフだらけになっている。 キャラクター同士が密着状態になっている時のおかしな挙動 密着状態で前進し続けるとキャラがめり込んで急に左右の位置が入れ替わる現象が起きる。 密着してお互いに前進すると、キャラの歩行速度に関係なく1Pキャラが2Pキャラをグイグイと押し込んでいく。 相手がしゃがんでいると、密着して前進してもお互いに位置が全く変わらない。 画-面端付近で密着していると画面中央側のキャラが何故か前方ジャンプ出来ない。 投げによるKOで負けポーズをとらないバグがある。 確認できているのは、マーキュリー、ネプチューンの投げでムーンをKO。ジュピター、ネプチューンの投げでちびムーンをKO。 キャライラストの画力が今一つ。 キャライラストのムーンの顔が離れ目になっていたり、ムーンとマーズの怒り顔が無表情時との変化に乏しく不自然に見えたり、勝利イラストの向きが1P2Pとも同じ向きになるバグや、勝利ボイスとイラストが噛み合っていないなどの不整合もある。 ステージセレクトが不便。画面上部に各ステージが表示されているが、そこに何を選択しているかのカーソルは表示されず、現在選択中のステージは画面中央に表示される。 これの何が不便かというと、画面中央を見て選択中のステージを確認してから、画面上部の各ステージの位置関係を確認しないと、満足にステージ選択することができない。 なおステージ選択の初期位置は一番左上にあるウラヌスステージ。普通は主人公のステージが初期位置だが……。 評価点 見た目と実際の攻撃、食らい、投げられ、存在判定の差がほとんど無い。モーションに合わせて、驚くほど細かく設定されている。 だからこそ問題のあるキャラと技が存在するのだが、大幅な差があるゲームよりは良心的。 必殺技と超必殺技の簡易コマンドがある。 だが必殺技に依存しない戦いが求められる本作では少し嬉しい程度に留まる。 マーキュリーやサターンでハメをするつもりなら大変ありがたい。 キャラのセリフは面白く出来上がっていて、ボイスも引き分け試合やコンティニュー時間カウントをはじめとして豊富に用意されている。 ジュピターの決めゼリフ「しびれるくらい、後悔させるよ!」が聴けるレアな作品である。 アニメ『S』では、デス・バスターズ幹部ウィッチーズ5のシプリン プチロル戦の時のたった一回しか言わなかった。 他の内部戦士と同じく一般公募から選ばれた決めゼリフだが、他の戦士は何回も言っている。 必殺技の演出は上出来で、効果音もアニメを忠実に再現している。超必殺技は背景も凝ったものに変化し、十分に評価できる水準に達している。オリジナルの体術もそれなりにさまになっている。 サターンの「デス・リボーン・レボリューション」と「サイレンス・グレイブ・サプライズ」の立ち位置が逆転しているが、これはサターンのバトルポジションが特殊すぎて原作・アニメ・他のゲームで必殺技の描き方が見事にバラバラなので仕方ないところか。 サターンは戦闘の最終手段となりうる技を持つ設定からか戦闘描写が少ない。原作はデス・バスターズ編のラスボス戦から参戦して世界を滅ぼしてしまうレボリューションを使用し、次のデッド・ムーン編で通常の攻撃技としてサプライズを使用。アニメは『S』(デスバスターズ編)のラスボス戦で参戦したが詳しい戦闘描写はなく、本作発売の翌日から放送開始した『セーラースターズ』前半の「ネヘレニア復活編」のラスボス戦で「レボリューションの効果で、サプライズの名称の必殺技」を使用した。 なお防御技の名称は原作と同じく「サイレンス・ウォール」だが、後にアニメで使用した時は「サイレント・ウォール」に名称変更されている。 「ムーンが幻の銀水晶を発動しているのに死亡しないのはおかしい」という声があるが、銀水晶の設定は原作とアニメで違っていて、死亡には条件があるので不自然ではない。 クリア後にキャラに応じてタイトル画面の題名、シルエット、星、スティック、ボイスが変化する。こだわりの演出は素直に嬉しいところ。 『美少女戦士セーラーマーズSuperS』のボイス「おねがぁい」は可愛らしくて色気がある。 BGMの出来は素晴らしい。世界観に溶け込んでいる。 ムービー中に流れる、アニメでおなじみのOPソング『ムーンライト伝説』もアレンジされていて、ムービーをスキップせずに聴いているだけでも十分『セラムン』を楽しめる。 総評 結論とすれば「流行りに乗ればいい」というモノではない。ゲーム面で見れば適当に作ったとしか考えられないシステムとバランス、長くて頻繁なロードといった、格ゲーというかゲームとしてダメな部分が散見され、キャラゲーとしてみれば3DO版のセル画表現をわざわざ捨ててまで3Dに走った結果、奇妙なグラフィックとムービーがプレイヤーを萎えさせる。 到底クソゲーとしか言い表せない出来に終始しているのでは、通常のセラムンファンにも一般的な格ゲーファンにも到底受け入れられないだろう。 当たり前の話だが、どんなに豪華な素材であっても有りと有らゆる部分と技術が整わなければ駄目なものは駄目である。 その後の展開 本作発売から3週間後にスーパーファミコンで『場外乱闘』のマイナーチェンジ作『美少女戦士セーラームーンSuperS 全員参加!!主役争奪戦』が発売された。軽視できない問題点こそあれど駄作ではないので、サターンを操作したい人はこちらをオススメする。 本作発売から6ヶ月後、セガサターンで本作のマイナーチェンジ移植作の『美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion』が発売された。 購入者特典として、本作で使用されたOVAのセル画が抽選で当たるキャンペーンが開催された。 ゲームシステムに変更があり、フロントステップ追加、ガード方法が方向キー入力式からボタン式に変更、キャラの動作が全体的に速くなった、ジャンプ技を当てても跳ね返らなくなった、KO時のスローモーションがなくなった等の変更により、展開がややスピーディー化して格闘ゲームとしての爽快感は多少なれど上がっている。外部戦士に新技追加、必殺技の性能変化などもある。また、ちびムーンのサイズが異常にデカくなり、キャラセレクト時のイラストもPS版のものから長さだけ伸ばしたので、違和感を禁じ得ない。 システム自体にテコ入れが加わった一方で、ゲームバランスがPS版よりさらに悪化している点もあり、超必殺技の攻撃判定の拡大+威力がACS無補正でも即死させるほどに強化+発生時に時間停止が追加されて極悪非道技と化した。相変わらず完全ハメも存在する。 演出面では、テキストのみでボイスが無かった部分がアニメーションになった、一部のキャライラストの描き直し、キャラ選択画面等の背景とBGMの変更、ステージの一新、試合前後のイラストでボイスに合わせて表情が変わるといった演出の強化が行われた。最大の評価点はオマケモードでテレビアニメでは存在しなかったサターンの変身シーンが見られるところ(*1)(*2)。 逆に劣化した点は、ムービーの画質が劣化、試合中のボイスの音質の劣化、ロード画面のルナPの削除など。『セラムンS』と同様にクリア後に裏技コマンドが表示され、画面の構図も同じだが、本作ではボイスがなくなっている。またロードの長さと頻度の問題は未解決である。 余談 『セーラームーン』の格ゲー化について、「少女漫画を格ゲーにするの?」「仲間同士で戦うの?」「脇役達は主役になりたがるようなキャラ設定なの?」「女の子に需要があるの?」というツッコミがされることがあるが、それには発売当時の時代背景が影響している。 本作発売当時の90年代は『ストリートファイターII』を発端として格ゲーが社会現象になっていた時代であり(*3)、バトル要素がある作品は格ゲー化されまくっていた。セーラームーンが格ゲー化されたのもある意味必然であり、この作品以前にもベルトスクロールアクションなどが作られている。 本作のムービーで主題歌の「ムーンライト伝説」が流れるのだが別人によるカバーであり、「原作者の武内直子氏が歌っている」説がある。 原作者ではない別人説もあるが、どちらにしても確証がないため、真相は藪の中である(*4)。 エンディングのスタッフロールでは歌手名のみ「?」と表記されている。なおSS版では歌手の欄そのものが記載されていない。 ゲームに限らず「一人ずつ登場する演出」は仲間入りした順であるのが普通だが、ムービーではマーキュリーよりマーズが先に登場している。ただしこれは本作に限った話ではなく、作品を見ていればマーズが目立つ理由は何となく分かるだろう(*5)。 外部戦士はプルートが最も早く登場したがレギュラー化は遅くて、ウラヌスがサターンを除いた外部三戦士のリーダーポジションで出番も多かった。 ムービーを制作したのは漫画家の岸虎次郎氏で、本人がtwitterで当時の状況を語っている。 『セーラームーン』シリーズのCGムービーとしては、後年にリメイク版アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』にて変身バンクに採用され、さらにユニバーサル・スタジオ・ジャパンの立体映像シアター『ザ・ミラクル4-D』として製作されている。 しかし『Crystal』のバンクはファンから不評で、第3期から手書きのアニメに変更されている。東映アニメーションは『プリキュア』シリーズで美少女アニメキャラのCG製作ノウハウを培っており(*6)、本作とは比較するまでもなくハイクオリティな映像に仕上がっているが、『セーラームーン』においてCGムービーは一種の鬼門のようである。 + よくネタにされるOPムービー。熱意自体は伝わってくる http //www.nicovideo.jp/watch/sm2350788
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HASHIRIYA 狼たちの伝説 【はしりや おおかみたちのでんせつ】 ジャンル レースゲーム 対応機種 プレイステーション 発売元 日本物産(ゲームアーカイブス版)ハムスター 発売日 1997年4月18日 定価 6,800円(税別) 配信 ゲームアーカイブス2010年4月14日/600円 判定 クソゲー ポイント 壊滅的な3Dグラフィック不出来極まりない挙動ストーリー等は一見の価値アリ 概要 問題点 評価点 総評 概要 『頭文字D』のブームで生み出されたと思われる、ニチブツこと日本物産から登場した『デッドヒートロード』(1996年)に続いてリリースされたPSでのレースゲーム第2弾。 今作はキャラクターも登場しており、魅力ある作品に仕上がるかと思われた。 しかし出来上がったものは…。 問題点 オープニングが余りにも意味不明。グラフィックもショボく、ゲームの内容とまるで噛み合っていない。 どんなオープニングかと言えば、最初に「HASHIRIYA」という明朝体の文字の後にテスタロッサと思わしき車のエンジンが映し出され、その後ヘッドライトが点く演出が入る。 その後謎のテクノチックなスペック紹介らしきシーンが映し出され、相手の黄色の車とのバトルがスタート。パッケージに描かれている車同士のバトルでは無い。 メニュー画面の手作り感が悪い意味で感じ取り易い。 メニューアイコンは何故か実写。それも取って付け感満載。カーソルを合わせると僅かにアニメーションする。技術をアピールしているのだろうか? モードはストーリーモード、フリーラン、タイムアタック、プラクティスしか無い。設定すら無い。 設定自体はレース開始前のメニューでキーコンフィグのみ設定可能。 壊滅的なまでにボロボロな3Dグラフィック。同時期の『峠MAX』は勿論、3年前に発売された『リッジレーサー (PS)』よりも酷い。 テクスチャがモザイクか何かにしか見えない部分も結構あり、超絶ローポリも相まって辛うじて形として見えるレベル。 異常なまでに操作し辛い挙動。下手にドリフトするよりもグリップで走った方が良い。 ドリフトすると三人称視点だと車が横に向いて前が見えなくなってしまう。かと言って一人称視点でプレイすると、かなり見辛く運転し辛い事になってしまう。 ブレーキを暫く踏んでコーナーリングするとドリフトしてしまうのでグリップで走行するのが非常に難しい。 レッドゾーン付近を吹かしてスタートすればロケットスタートが出来、逆に失敗すると大袈裟に空転する所やドリフトしている間にアクセルを踏んでいるとコントロールが利かなくなるという無駄に凝った所も。 特に「ドリフトしている間にアクセルを踏んでいるとコントロールが利かなくなる」は余計な仕様と言って良い。 不安定寸前気味なストーリーモードのゲームバランス。序盤はまだしも、中盤からは上記の挙動も相まってかなり苦戦しかねない状況が多発。CPUは物凄い勢いで走行し、綺麗にドリフトする為、コーナーで追い付かれ、抜かれてしまう事は日常茶飯事。 特に早見りょう編の最後のバトルは余りに難しく、ここで挫折したユーザーは数知れず。 一方でフリーレースや複数台でバトルの最下位は相当遅い。 コースの造形がかなり簡易的。 低速ヘアピンカーブがかなり丸っこく鋭利とは言えない物だったり、一本道コースもかなり単調で中途半端に難しい形状等、技術不足も甚だしい造形。 実は説明書に隠しキャラを含めた全ての登場人物の名前が紹介されており、軽くネタバレしている。流石にキャラの詳細は最初から選べるキャラ限定ではあるが。 評価点 ストーリーモードの出来は中々。理解し難い部分も無い訳では無いが全体的に見れば水準以上。下手したら秀逸かもしれない。 キャラクターデザインは古臭さが見えながらも普通に水準値。 フリーレース後、搭乗車種次第で対応したキャラクターからの激励or励ましの言葉が聞ける。但しキャラによっては強烈にdisられることも・・・ 但しゲーム内2Dで表示されるキャラデザは画像取り込みでも無ければSFCレベル。『里見の謎』みたいに崩壊している訳では無い分それよりはマシではあるが。 キーコンフィグ自体は自由にボタンの割振りが出来る仕様。当時これが出来るゲームは珍しい方であった。 『デッドヒートロード』ではスカスカだったBGMは、音源のチープさがまだ目立つもののちゃんと聴けるレベルにまで改善されている。 収録車種は架空ではあるものの、フェラーリやマクラーレンを模した車種が登場している所はニヤリとさせる所。 妙にスペックが細かく記載されてもいる。 スリップストリームが出来る(*1)。いずれの車も3km程速くなるので、前述したような強力なライバルとのバトルには有効。 しかし説明書には一切書かれていない。 コースの造形は汚いながらも特色を持たせようとしている姿勢が見える。設定も妙に細かい所が見られる。 総評 『頭文字D』らしさを表現しようとしたが、開発者の3Dの不慣れもあってかゲームとしては余りに壊滅的な出来になってしまった。 「レースゲームは素人が作るのには難しいジャンルである」とプログラムを経験した人は語るが、それを見事に体現してしまった良い例である。 しかしストーリーやキャラ等の魅力は流石脱衣麻雀を作るニチブツならではの出来であり、評価出来る点もあるだけに勿体無いと言える所もあるのもまた事実である。 この魅力に嵌ったユーザー達によってカルト的人気を得る事となった。
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ライフオブフライ 【らいふおぶふらい】 ジャンル アドベンチャー XBOXよりニンテンドーeshopより 対応機種 Xbox OneNintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 EpiXR Games 発売日 【One】2021年1月14日【Switch】2021年3月4日 定価(税込) 【One】1,750円【Switch】1,599円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1個 レーティング IARC 7歳以上 判定 クソゲー ポイント ハエの進行方向を変えるだけのゲームADVゲームを日本で発売にもかかわらず日本語非対応 概要 システム 問題点 評価点 総評 余談 その後の展開 概要 プレイヤーは一匹の光るハエとなって、3Dで描かれる12の建物の内部を転々とすることになる。 それぞれの建物では個別の小話(英語)がリスニング形式で展開される。海外のみPlayStation4でも配信された。 システム ハエの挙動 建物の中を浮遊しゆっくりと前進しつづける。プレイヤーはハエの進行方向を変える操作のみ可能。 ボタンを押すことでハエがきりもみ飛行するが、特に意味はない。加速減速の操作は実質不可能。 カメラアングルは、常にハエの後ろから3人称視点で追従するような形となる。プレイヤーが自由に向きを変えることは出来ない。 光の輪 ハエが飛び回る建物内部に浮かぶ輪。ひとつくぐると付近に次の光の輪が現れる仕組み。 光の輪をくぐるたびに、英語でハエにまつわる小話が少しずつ述べられる。 ハエが壁や障害物に衝突すると少し前の場所からやり直しとなる。ゲームオーバーとはならず、それまでにくぐった光の輪の数がリセットされるようなこともない。 セーブはチャプターをクリアした際に自動でされる。最初はチャプター1しかプレイできないが、クリアに応じてチャプター12までできるようになる。 1つのチャプターにて指定される数の光の輪をすべてくぐりぬけないとセーブされない。中断するとチャプターの最初からやり直し。 問題点 やれることが少なすぎる システムの繰り返しになるが、ハエは勝手に進むので、プレイヤーはハエの進行方向を変える操作しかできない。加速・減速はできずカメラアングルすら直接変えられない。 チャプターが変わるごとに、ハエが飛び回ることになる建物の外観はガラリと変わるが、ゲーム中の変化といえばそれくらい。 ボリュームも不足している。1時間程度あれば完全クリア可能。一貫して光の輪をくぐるだけのゲームであり、やりこみ・周回要素が皆無。強いてゲーム性をあげるとすれば、光の輪がどこにあるか探せるかどうか、といったところ。 光の輪は白色系統の色をしているので、攻略しているマップが明るいとやたら見つけづらい。 日本語非対応 ただただハエが飛ぶ姿を眺めながら、英語のリスニングをするゲームとなっている。日本でパブリッシングするにあたって、最低でも英語の字幕(欲を言えば日本語字幕)ぐらい用意してもよかったのではないだろうか。 このゲームの本来の価値は、ハエを操作するのではなく哲学的な「12 short stories」を体験できることであるはずなのだが、なぜかこれらが日本語非対応。 なお日本語版のソフト紹介用ページでは「short stories」を短編小説と訳しているが、小説と呼べるほどのボリュームではない。 話者の発話は聞き取れないレベルではないが、英語のリスニングができない人からすればやはりプレイする意義に乏しい。 英語のshort storiesはリピートで聞きなおすことができない。当然のようにバックログ等もないので、聞き逃した部分をもう一度聞きたい場合はゲームをやり直す必要がある。 3D酔いしやすい ハエを急旋回させたりすると、カメラアングルも無理に変化することが原因とみられる。 ロードが長い 1ステージ読み込むのに10秒弱暗転してロード、ハエが動き出せるようになるまで5秒ほどフリーズする時間がある。 光の輪の場所を目視以外で確認できない 輪を潜り抜けるとたいてい次の輪も近くに出てくるのだが、この次の輪を見つけられないとゲーム進行が無駄に停滞しやすい。 マップも無駄に広いことが多い。端から端まで移動するのに10分近くかかる場合もあるので、輪をくぐった場所から無闇に離れるのは危険。 評価点 ステージの作りこみ ハエ目線でプレイすることになるので、攻略することになるステージ自体はかなり広い。人間が住んでいるであろう部屋を高いところから見下ろしたり、箪笥の裏に入り込んだりも出来る。 現実にありそうな風景が出来上がっている。日本の学校の美術室やラーメン屋台も出てくるが、日本人から見ても違和感は特に無い。 観葉植物のツルや、椅子の細い足にも障害物としての当たり判定がある。椅子の足が密集しているようなところだと、すれすれで障害物を回避して飛行する楽しみは見出せる…かもしれない。 ストーリーの内容 英語のストーリー自体に聞き応えがないわけではない。 小さくはかない動物である「ハエ」に生まれたら一体どんな感じなのだろうかといった疑問からストーリーが始まり、人生でとるべき選択についてといった難しい話に発展していく。 あくまで、英語のリスニングができないとほぼ内容を理解できないこと、日本での発売にあたって日本語話者のプレイヤーへの配慮が一切なされていないことが問題なのである。 ハエはデフォルメされたデザインなので、虫が苦手な人でも安心してプレイ出来る。 総評 日本でのパブリッシングの仕方に問題があったゲーム。本作の最大の特徴は哲学的な小話であるはずなのだが、日本に展開したにもかかわらず小話が和訳されなかったため、ゲーム部分が薄く非常に単調なだけの作品となってしまった。 余談 SteamやSwitchのソフト紹介ページでは一応日本語で本作について紹介・宣伝されているが、既にそこから日本語がたどたどしい。 同メーカーより、似たようなシステムの『ザフライーングトラベラージャーニービヨンドタイム』が発売されている(シリーズとしては本作の方が後)。評価点も問題点も、続編のタイトルがカタカナの長文であることもほぼ同様。 その後の展開 2021年6月10日に『ライフオブフライアナザーデー』がSwitchで、11日に『Life of Fly 2』がOne/Win(Steam)向けにそれぞれDL販売された。 内容はどちらも同一で、本作の続編に当たる。こちらも日本語には対応していない。
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※初版作成者はPS4版のみプレイしています、PSV版経験者の追記お待ちしております。 GOD WARS~時をこえて~ 【ごっどうぉーず ときをこえて】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 プレイステーション4プレイステーション・ヴィータ 発売元・開発元 角川ゲームズ 発売日 2017年6月22日 定価 パッケージ版 6,800円ダウンロード版 5,800円(全て税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 なし ポイント 和風SRPG『FFT』寄りのシステムも独自要素多し 概要 あらすじ キャラクター システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 古事記をベースに、各種日本昔話の要素を取り入れたシミュレーションRPG。 システムそのものは『ファイナルファンタジータクティクス(以下FFT)』に近いオーソドックスなSRPGだが、独自要素も多い。 ディレクター・シナリオ・原作は現角川ゲームス及びフロム・ソフトウェア代表の安田善巳氏、モンスターデザインを『大神』『El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON』の竹安佐和記氏、キャラクターデザインを『ラブプラス』『√letter』『イグジストアーカイヴ』等の箕星太朗氏(ミノ★タロー)、ナレーションは日本神話造詣が深い佐野史郎氏、主題歌を演歌歌手の坂本冬美氏が担当している。 あらすじ 美しい自然と八百万の神々が住まう瑞穂国。瑞穂の民は自然を愛し祖霊を敬い争いも好まず平和に暮らしていた。 しかし、いつのころからか、人々は争いを繰り返すようになり、各地で日照りや台風、地震などの天変地異が起こるようになった。 富士国の王女ツクヨミは、争いを繰り返す出雲国と日向国の間に立ち、不戦の誓いを結ばせた。これにより神々の怒りが鎮まり、天変地異も収まるかと思われたが、突然、富士山が鳴動を始める。 王女ツクヨミは神託を受け入れ、断腸の思いで娘サクヤを生け贄に差し出すことでようやく富士の鳴動は収まった。 しかし、悲嘆に暮れたツクヨミは、ある日忽然と姿を消してしまう。キツネと名乗る男に政を任せて。 それから十三年後、富士国の浅間ノ宮に一人の少女カグヤが囚われていた。次に富士の鳴動が起こったときの生け贄として…… キャラクター + 味方キャラクター カグヤ(CV 早見沙織) 主人公。富士の女王であるツクヨミの三女。 強大な霊力を秘めた巫女。母ツクヨミの命により、次の富士山の噴火に備えて、生贄となるべく富士浅間の宮に幽閉されていたが、自由を求めて母に真意を問うための旅に出る。 モデルは名前・見た目通り「かぐや姫」であるものの、かぐや姫らしいエピソードは「竹の結界に幽閉されていた」ことのみ。 キンタロウ(CV 畠中祐) カグヤの幼馴染。富士の麓の村で暮す、力自慢の少年。 村人の一揆に乗じてカグヤを助け出し、共に旅に出る。 モデルは名前通り「金太郎」。カグヤと違い、モデルとほぼ変わらないイメージとなっている。 クマ(CV 福山潤) キンタロウの相棒である熊…のような姿の神様。 「クマァ!」としかしゃべれないが、キンタロウと意思疎通はできる。 モデルは金太郎のお供の熊。 ハナサカ(CV:伊藤美紀) かつてツクヨミにも仕えていた八百万神の一柱。隠居をしていたが、ツクヨミ捜索のためカグヤの旅に同行する。 モデルは花咲爺さんだと思われるが、妙齢の熟女となっており、最もモデルとの差異が大きい。 ちなみに作中では「老いぼれ」名乗っており、他のキャラにも「ばあさま」と呼ばれているものの、イラストはそこまで老いている訳ではない(*1)。 カツラギ(CV:杉村憲司) たたら場を仕切る大男。かつては気前のいい性格だったが、ある日を境に凶暴になる。 最序盤のボス的な存在。攻略すると本来の性格に戻り仲間になる。 モデルは「泣いた赤鬼」の赤鬼に、渡来人の設定を加えた独自のキャラクター。昔話と実際の歴史をミックスさせた、ある意味今作を象徴するデザイン。 アオメ(CV:原由実) 銅山を差配する山師。金髪碧眼という容姿から幼少期はいじめられて育ったためか、紗に構えた性格の女性。 カツラギと同じく敵として登場し、クリアすると仲間になる。 モデルはカツラギと同じく「泣いた赤鬼」の青鬼と思われるが、こちらは渡来人の設定が前面に出ている。 イナバ(CV:麦穂あんな) オオクニヌシに仕える侍女。ドジっ子ではあるが、オオクニヌシの女性問題を的確に捌いている。とくに話題にはならないものの一応八百万の神の人柱。 モデルは「因幡の白兎」で間違いないと思われるが、オオクニヌシとの関係性以外のエピソードはほぼカットされている。 オオクニヌシ(CV:國立ミユキ) 出雲の国の王、スサノオの長男。今作の第二主人公。 いわゆる色男で女好き。カグヤに惚れ込み旅に同行するものの、ストーリーの描写的にはむしろ彼の成長が描かれている場面が多い。 モデルは「オオクニヌシノミコト (大国主命)」。スサノオの息子であることは日本書紀準拠の設定になる。 ウズメ(CV:種田梨沙) 佐賀の王宮に仕える踊り子。ハイテンションで軽い性格だが、その舞はどんな堅物な男でも魅了させる腕前。 また、自警団を結成して、身寄りのない子どもの母親代わりになる等の優しい一面も。 モデルは日本神話に登場する「アメノウズメ」で間違いないだろう。当然アマテラスと関連するエピソードも再現されている。 ウラシマ(CV:柿原徹也) 日向国の第二王子。兄のモモタロウが優秀すぎるため、世をすねて僻みっぽくなっているが、根は思いやりのある素直な青年。 日向の宮廷は居心地が悪いため、龍宮に逃げ出している。 モデルは文字通り「浦島太郎」。またネタバレになるが「ニニギノミコト」の要素も含まれている。 カメ(CV:麦穂あんな) ウラシマの親友で、宮に仕えるオトヒメの眷属にして八百万の神の一柱。 ちょっと拗ねたウラシマとは対照的に、素直な性格。クマと異なり人語も話せる。 モデルは浦島太郎が助けた亀。今作でも龍宮城へご招待してくれる。 サヨリ(CV:氷青) 瀬戸内海運を仕切る海の女。子供のころから宮廷に出入りしていたため、オオクニヌシやイナバからは姉のように慕われている。豪気な姉御肌。 中盤で一度スポット参戦するものの、本格的に仲間になるのは後半から。 モデルは日本神話に登場する水の女神「イチキシマヒメ(別名サヨリヒメノミコト)」と思われる。 イッスン(CV:福山潤) 八百万の神の一人。現在は出雲に仕え地方を巡察して治水や医薬について指導している。オオクニヌシの器にほれ込み、彼の治世を支えるのが自分の仕事だと思っている。 無口で独特な喋り方をする。 モデルは「一寸法師」。モデル通り、戦闘では「自身のサイズを変更する」という独自の技を持つ。 サクヤ(CV:佳村はるか) ツクヨミの二女であり、カグヤの姉。富士の火口に生け贄として捧げられる。霊力も美貌もカグヤに匹敵するが、性格はカグヤと対照的に穏やかで大人しい。 モデルは「コノハナサクヤヒメ」で間違いないだろう。 + その他重要キャラクター モモタロウ(CV:石川界人) 日向国の第一王子で、ウラシマの兄。今作の第三主人公という扱いであるが、本編中はスポット参戦のみで、むしろ敵として立ちはだかるシーンが多い。 文武両道に長け、覇気に満ちた一代の英傑。集権的な支配を理想とし、理想国家の建設に向けて邁進する。そのためカグヤやオオクニヌシと意見の違いで衝突することも。 モデルは文字通り「桃太郎」。 大型DLC「黄泉の迷宮」でプレイアブルキャラとして昇格。 イヌ・サル・キジ(CV:鈴木祥太郎・辻尊広・長崎瞳) モモタロウと共に登場する3匹のお供。イヌとサルは獣人のようだが、キジは雉の格好をした女性というデザイン。 大型DLC「黄泉の迷宮」でプレイアブルキャラとして昇格。 ツクヨミ(CV:中村千絵) 富士国の女王。サクヤ、カグヤの母。優しく慈愛に満ちた女王。 13年前、神々の怒りを鎮めるために、富士の火口へ生け贄として娘のサクヤを捧げる。それ以後、行方知れずに。 モデルは「ツクヨミノミコト」。今作では女性として描かれている。 スサノオ(CV:てらそままさき) 出雲の国王であり、オオクニヌシの父。無敵の戦士であり、一代で出雲を強国にした英雄。国力を得てからは軍事よりも経済、技術に根ざした国造りを進める。 生まれつき最強だったため、暴力に固執せず、優秀な家臣に内政を任せる度量がある。一方で愛妻家という一面も。 モデルは「スサノオノミコト (素戔嗚尊)」であり、有名なエピソードもそれなりに再現されている。また、味方NPCとしてスポット参戦するシーンも。 アマテラス(CV:園崎未恵) 日向国の女王。モモタロウとウラシマの母。三大国の君主の中では最も若くて気力に満ちている。 噴火の被害にあった国土では民の生活が成り立たないため、豊穣な出雲や富士の領域への進出を狙っている。次世代の王となるべき二人の息子の養育にも熱心。 モデルは「アマテラスオオミカミ (天照大神)」 システム 前述通り、『FFT』をなぞったクォータービュー・箱庭3DマップタイプのSRPGなので、今作独自のシステムを説明する。 けがれ ヘイト値が数値化したもの。攻撃や回復などの行動を行うと上昇して、敵に狙われやすくなる。 キャラが育っていない序盤では特にけがれ数値の管理が重要。前衛キャラは「挑発」でけがれを上昇してタンク役となり、後衛は「みそぎ」で減少させて狙われにくくする…等。 スキル いわゆる魔法・技。ターン開始時に回復するMPを消費して攻撃や回復を行う。 今作は通常攻撃が弱いため、攻撃は主にスキルで行うこととなる。 奥義 中盤から解禁するシステム。画面上に表示される花びら状の奥義ゲージを消費して放つ強力なスキル。 消費が少ないものは「単体に大ダメージの物理技」「広範囲攻撃技」等の使いやすいものから、「味方全員を大回復」「全画面攻撃」等派手なものまで。 職業システム キャラクターの性能に直接決める「主職業」、覚えたスキルを使用可能にする「副職業」、キャラクター固有で変更不可能な「固有職業」の3種が存在。 主職業・副職業にセット可能なものは職業レベルを上げることで上位職に変更することが可能。 例えば前衛職である「戦人(モノノフ)」をLv6まで上げると中級職「侍人(サムライ)」「弓人(ユミト)」が解禁される。 純粋な下級・上級職の他、特定の中級・上級職のLvを上げることで解禁される特殊職も。 固有職はキャラクターによって固定されており、そのキャラのおおまかな方針を決定付けている。 例えばカグヤは主人公らしくある程度の攻撃・回復を行えるバランスタイプ、キンタロウはイメージ通りの前衛戦士タイプの攻撃技を覚える。 また、各職業で体得したパッシブスキルは現在の主職業・副職業に関係なく3つまで装備可能。 単純な能力アップから、反撃・反射ダメージ等も存在する。 評価点 攻略の自由度が高く、SRPGとしての完成度が高い 基本の能力値はキャラクターごとにある程度決まっているものの、おおまかな能力の決定は主職業で決定される。 このため、戦士タイプのキンタロウやカツラギを術師として育てたり、術師タイプのハナサカやアオメを戦士タイプに育てることも可能。 この他、副職業やパッシブ装着で自分の望むようにカスタマイズでき、自分だけのユニットとしてカスタマイズができる。 育成・戦略のバランスが良く、単純な力押しでは苦戦する歯応えのあるゲームバランスとなっている。 育成の自由度の高さ故に、攻略パターンはいくらでも存在する。 バフを駆使して正々堂々勝負するも良し、逆にデバフや状態異常を使った狡猾な戦い方も良し…。自分の好きなようにプレイスタイルを確立することができる。 上記通りけがれシステムが独自の駆け引きを生んでおり、うまくコントロールする必要性が出てくる。 苦戦するのであればスキルを見直したり、やしろで行える依頼(フリーマップ)で貰える強力な装備で味方側を強くすることで突破可能。 それでも厳しいのであればオプションで難易度を下げたり、無料DLCで確保できる救済装備を使うという手もある。 独特な解釈・世界観は好評 日本神話+日本昔話というありそうであまりない世界観だが、うまくミックスされて調和がとれている。 各種キャラクターの設定も独自解釈が利いていて面白いデザインが多い。 例えば主人公のカグヤは「ツクヨミの娘かつイワナガとサクヤの妹(*2)で天真爛漫な勇者タイプ」という類を見ない設定。 仲間キャラを例に挙げると、カツラギは童話「泣いた赤鬼」と渡来人の設定をうまくミックスさせている。 その他「妙齢の女性になったハナサカ」「アマテラス・スサノオ・ツクヨミの兄弟設定が皆無」「モモタロウとウラシマが兄弟設定」といった独自過ぎるデザインも。 昔話を代表する英雄、モモタロウはクールなライバル的立ち位置でカグヤ一向に立ち塞がる…のだが、今作のモモタロウは問題点が多いので後述。 日本神話・昔話のお約束的なエピソードもしっかり取り入れている。 例を挙げると「気は優しくて力持ちなキンタロウとクマのタッグ」「女好きなオオクニヌシ」「カメを助けて龍宮城へ出向く」等。 竹安氏の描くボスモンスター「祟り神」のデザインも迫力があり好評。ゲーム中の至るところでパーティ達に立ち塞がる。 坂本冬美氏の歌う主題歌や、佐野史郎氏による語りは世界観に合致していて好評。 賛否両論点 SRPGに慣れた人には物足りないゲームバランス キャラクター育成の自由度の高さや育成のし易さ、手に入る強力な装備やアイテムの存在からSRPGとしてはかなり難易度は低い。 全体的に回復アイテムが強力で、スキルは攻撃や妨害・バフに振り分けても全く問題がない。 やしろで貰える装備アイテムも強力なものがほとんどで、依頼をこなして育成と装備を整えるとサクサク進めることができる。 あくまで「難易度を下げる要素が多い」ということであり、極端なヌルゲーというわけではない。特にボス戦では厄介な技を使う敵が多かったり、マップ構成が不利な状況から始まるというステージも多く、生半可な育成や戦略では突破できない。 特に後半のボスは厄介な異常状態を多く使うため、力押しがしづらくしっかりと対策が必要。 SRPGでは難所として設定されがちなNPCユニットとの共闘・救援ステージもあるのだが、たとえNPCが倒されてもゲーム進行になんら影響を及ぼさないステージが大半。 NPCの救援がクリア条件に設定されているステージにおいても、NPCが戦闘不能になってから5ターン以内に蘇生すればOK(*3)となっているため、まずステージ失敗にはならない。むしろNPCは無視して戦闘し、適当なところで蘇生するほうが楽に攻略できる始末である。 演出面 ゲームシステムこそ「古き良き」といえるものであるが、グラフィックや演出面も前世代的…下手をするとPS2並で、かなり古臭い。 エフェクト等は、シンプルにまとまっていてテンポを阻害してはいないのだが。 ボイスパターンについても異様に少ない。汎用的キャラはともかく、味方キャラは攻撃や回復のスキルでボイスを増やしてよかったのではないのだろうか。 BGMの質も低いわけではないのだが、曲数の少なさや、1ループの短さ等で、聴き続けると飽きやすい。 キャラクター間の格差が大きめ 職業システムである程度好きなキャラを使っていけるバランスになっているが、固有職の差が無視できるほど小さいものではなく、キャラ間の強さにはそれなりに差がある。 強いと言われるのはカグヤとオオクニヌシ、次点でハナサカとウラシマ。 カグヤは固有職のパッシブスキル「戦姫の才(*4)」の上昇効率が異常に高く、何をやらせるにも最強クラス。「戦姫の才」の仕様から大器晩成型に見えるが、序盤は固有職で魔法攻撃・回復共に行えるため序盤の時点で主人公らしく万能に立ち回ることが可能。 オオクニヌシも副主人公らしく攻撃・回復・援護を行える。カグヤと合わせて加入からほぼ強制出撃ということもあり、意図的に強くされたという可能性も。 序盤で仲間になるハナサカはある程度のバフ・デバフ・攻撃魔法を覚え、けがれが最大状態のデコイユニット召喚する「苔人召喚」が非常に便利で、今作の肝であるけがれ管理を半分以上無視できる。そのまま術師系に育ててしまえば終盤まで第一線で戦える。 ウラシマは中盤加入なものの、各種バフである「舞踊」系統と、高命中率を誇る全能力デバフ「厭かずの匣」が非常に使いやすく、こちらも援護キャラとして扱いやすい。 その他、後半加入のイッスンやサクヤも強力と言われることも多いが「後半加入で育てるのが面倒」という問題点も。 逆に弱いと言われるのがクマ、イナバ、カメの三動物。 この3キャラは固有スキルがパッシブ1種、技1種と異様に少なく、その唯一の技に関しても「何かが超強化されて技スキルが使用不可」と、スキルが重要な今作と全く噛み合っていない。 クマは初期メンバーということもあり仲間が揃うまではタンク役として前線で活躍…というかうまく使わなければ序盤戦が厳しいこともあり、空気キャラにはなっていない。 イナバとカメは特殊な移動性能を持っており宝探しに活用できるという強みはある。戦闘面でイナバとカメの移動性能が活きるステージがないのが問題だが…。 キンタロウ、クマ、カメや後半加入で育てるタイミングがないイッスン、サクヤもゲームクリア後にプレイできる初回特典DLCの追加シナリオに強制出撃ということもあり、育てて損はない。但し、イナバだけ出番が無いので更に不遇。「黄泉の迷宮」にて動物キャラ限定のマップが登場したことで、イナバも育てる必要がでてきた。 DLC追加キャラのモモタロウ、オリヒメもかなり強い。 モモタロウはクリア後、つまり「黄泉の迷宮」専用といえるが、自身のけがれが高いほど能力があがるスキル「戦意高揚」によってほかのキャラの追随を許さない圧倒的な火力を誇る。 オリヒメは序盤にサブイベントをこなす事で加入し、超射程の敵バフ解除「破魔矢」や、強力なデバフの「厄災の儀」「神儀禊祓詞」でデバフだけならウラシマをも凌ぐ。女性であるため戦乙女にもなれる。 更に広がった動物格差 オリヒメ、イヌ、サル、キジの4人は動物枠だが、上記3匹と異なり、強力な専用スキルを多数所持している。なお上記3匹が持つスキル使用不可になる役に立たないスキルも4人ともしっかり所持。 女尊男卑…というほどではないが、性別専用職業のうち「戦乙女」が基本能力・スキルの強さが両立しており非常に強力。逆に男性専用の「益荒男」は攻撃面は強力なもののMPが低く、スキルも癖があってやや使いづらい。 結果的に、後半は「戦姫の才をつけた戦乙女カグヤが無双すればなんとかなる」と言えなくもないゲーム性になってしまう。 極端な話、前述したイナバも戦乙女にしてしまえば十分戦力になる。 「和風」を追求したためにやや見づらい名称やUI ゲーム中に存在するスキルの名前やアイテム名などもほとんどが漢字表記、かつ古語的な読みをするものも多い。和風SRPGという雰囲気にはマッチしているが、その分、人によってはやや見づらい、固有名や性能が覚えにくいなどの、とっつきづらい印象を与える側面もある。 極端な例をあげると、法撃系上級職「天星司」の習得する攻撃スキルは10種類あり、それぞれ属性や威力、効果範囲などに差異があるのだが、全て「○○星の天術」という名称パターンで統一されており非常に紛らわしい。(*5) 余談の項でも触れられているが、こうした拘りを見せる一方で、「スキル」「EXP」などのカナ英語表記を使っている部分が悪目立ちしているという意見もある。 また装備変更UIでは単純に1ページあたりの表示アイテム数が少なく、視認性が悪いという難点もある。 本作では「魂宿り品」というランダムな副効果が付与されたアイテムを収集する要素もあり、拾ったアイテムの中から優秀な副効果のついた装備を確認・選別する際の妨げにもなっている。 問題点 全体的なボリューム不足感 今作のストーリー・ルートは完全に一本道で、本筋に関わるステージはそこまで多くない。上記通り、SRPGに慣れたプレイヤーならサクサク進めてしまう難易度調整ということもあり「ボリューム不足」という声が多い。 やり込み要素といえる点がDLCなしではやしろの依頼しかなく、報酬も「強力な装備品」であるため、「育てたキャラが腕を振るう」というシーンはないといっていい。 初回特典の追加シナリオDLCが有料であるものの購入可能になったり、大型追加シナリオ「黄泉の迷宮」では高難度ステージの多数追加や周回プレイが追加され、ある程度のフォローはされている。 ストーリーの問題点 世界観こそ緻密な設計となっているが、あらすじ自体は日本神話を完全になぞったもので、無難かつ面白みのないと言われている。 日本神話を知るプレイヤーであれば、中盤ほどで黒幕の正体がわかってしまうのもマイナス。 キャラクターの掘り下げがほとんどなされず、プレイヤーキャラについては「成り行きでついてくるだけ」NPCは「一言しゃべって終わり」というキャラクターの使い捨てがやや酷いものになっている。 物語のほとんどがカグヤ、オオクニヌシ、ウラシマの3人で進んでしまい、他のキャラはたまに一言二言しゃべるだけでほぼ空気。 キンタロウに至ってはカグヤの幼馴染というポジションで「OPのラストが「キンタロウ……」と呟くカグヤで締めくくられ、彼を操作してカグヤを救出する場面がプロローグ(*6)」と、一見して主人公と見間違えるような立場にもかかわらず、オオクニヌシが登場する前後から露骨に出番が減っていく。一応ムービーではカグヤに次ぐ出番があり、描写だけでいえば主人公3人+ウラシマ同様重要キャラの一人として扱われている、ただその割に出番が異常に少ないのである。 本編クリア後にプレイ可能なDLCの追加シナリオにてキンタロウの心情が描かれることとなる。また「カグヤにとってのヒーロー」というポジションは一貫してキンタロウが選ばれている。 「カグヤとサクヤの姉」というかなり重要な位置に居るイワナガですら、本編での出番が2回だけとほぼ空気。 敵キャラでも重要そうなポジションにいるキツネもまともな出番が3回とかなり少ない。ただ存在感はそれなりにあるためイワナガに比べれば空気ではない。 公式的に「主人公の一人」と言われている筈のモモタロウはその被害をもろに受けており、ライバルキャラ及びダークヒーローという面が弱く、単なるヒール…もっとひどく言えば「かませ」と言われてもおかしくない立ち位置になってしまっている。 本編ではNPCとしての共闘こそあれど、プレイヤーキャラとして連れ回すこともできない。 「黄泉の迷宮」でモモタロウ及びイヌ、サル、キジがプレイアブルキャラとして昇格。更にモモタロウとイワナガの過去のエピソードも語られる等、ここでやっとダークヒーローな主人公&ヒロインとしての立ち居地を確立した。 一部自由度を阻害する仕様 出撃枠が少ない上に、ほぼ全てのステージでカグヤとオオクニヌシが強制出撃。他NPCの強制出撃があるステージも。 基本的に6ユニット程度までしか出撃できない為、自由に選べる枠は3~4枠程度しか無い。 モモタロウと共闘するステージは出撃枠が8あるにもかかわらず、カグヤとオオクニヌシに加えてモモタロウ、イヌ、サル、キジに4枠潰され、2枠しか好きなキャラを選択できない、そのうえ上記4人はNPC。 最上位の職である特異職に、弓を使える職が存在しない。 つまり弓を使うユニットを完成されるのであれば、上級職の「叉鬼(マタギ)」で妥協するか、特異職に弓装備のパッシブスキルを装着する他無い。 しかし「戦乙女」「益荒男」の固有技は弓及び弩では使用不可能。またイッスンの強力な固有奥義も弓及び弩で使用不可能。 特異職のひとつ「天狗」のジョブチェンジには「叉鬼」も条件に含まれているが、何故か弓を装備できない。 お粗末な戦闘AI 本作ではキャラごとにおおまかな行動指針を設定してオート操作で戦闘をさせることもできるのだが、AIはあまり賢くない。 攻撃役に設定しているのに支援行動をするなど、作戦にそった行動を必ずしもしないことがある。また、敵の有利属性の攻撃をあてて敵のHPを回復させてしまう、瀕死の敵にデバフをしかけて無駄に存命させる、HP回復してほしいのにMP回復スキルを使う...など無駄のある行動も度々とるため、格下の雑魚ならともかく同格以上の敵と戦わせるにはやや不安が残る性能である。 覚えたスキルの一時封印、スキル習得状況のリセットなど、オートで使用するスキルを限定させられるようなシステムでもあればまた有用度も違ったはずなのだが。 一応シチューエション等を限定すれば全キャラオート操作で自動稼ぎをさせることも可能である。 クロスセーブが対応していない PS4とPSVの2機種で発売されたが、何故かクロスセーブが対応していないため、PS4版の続きを外出中に楽しむことができず、PSV版の続きを自宅で楽しむこともできない。 総評 ゲームとしては歯応えのあるSRPGと独特な和の世界観の融合という、ありそうでなかった作品。 SRPGとしては楽しめる内容なのだが、ストーリーが難有りでボリューム不足という2点が惜しい。 ところどころ惜しい点はあるが「一昔前のSRPGを楽しみたい」「昔話や日本神話が好き」といったプレイヤーなら楽しめるであろう。 余談 タイトルについて 個性的な和の世界観と相反して「GOD WARS」という陳腐なタイトルに疑問を持つプレイヤーも少なくない。 『GOD OF WARシリーズ』と無駄に混合したりして紛らわしいという声も多い。 安田氏曰くしっかり意味をもってこのタイトルにしたと答えている。 タイトルに限らず、シナリオはまだしもシステム面で世界観に合わせてそれっぽい名称になってる部分は少なく、「スキル」「JP」やAIの名称など横文字が多用されている。 システム単位で和風になっているところは上記の「けがれ(*7)」の他、各種職業や技スキル名程度。 度重なる発売延期 本来は2017年2月に発売予定だったが延期して4月予定に、そして2度目の延期で6月発売となった。 発売前に出した体験版が「やたらと敵が回復行動を行う」というテンポが悪くストレスが溜まる仕様で、バランス調整に力を入れたとのこと。その分テンポやバランスはかなり向上している。 また、『黄泉の迷宮』に関しても2017年冬配信がアナウンスされたものの、上記どおり2018年の6月まで延期された。 敵キャラクター「サルタヒコ」 中盤に出てくるボスキャラクターの一人で、日向の女王であるアマテラスの忠臣…とここまでなら日本神話通りの設定なのだが、演技があまりにも独特過ぎる棒読みで話題になった。 他の声優陣は人気の若手や、アニメや吹き替えでもよく耳にする実力派の役者で揃ってはいるので非常に落差が激しい。 初登場シーンでは柿原徹也氏演じるウラシマと対話となるため、吹き出すプレイヤーが。 それが原因か、公式サイトのキャラクター紹介で彼だけ声優の名前が記載されていない。 声を担当しているのはローカルFM局でパーソナリティを務めるラジオDJのえ~じ氏。本職の声優ではなかった。 登場ステージの難易度は高く、ボスとしての威厳は保っており、本筋でも重要な立ち位置にいるため「どうしてこうなったのか」という声が絶えない。 が、現在では「この独特な棒読みでないと味が出ない」というプレイヤーもおり、謎の人気を確保している。 また、有名声優が名を連ねる中でオオクニヌシ役はほぼ無名の國立ミユキ氏(*8)が担当しているが、演技自体は上手。 その他 偶然か意図的か「早見沙織氏演じる箕星氏デザインのヒロイン」という点で『ラブプラス』の高嶺愛花と被っている。 もっとも、カグヤが顔付き・セリフ等で高嶺愛花を意識している要素はない。 箕星氏は半年前にも日本神話を題材にしたゲームである『めがみめぐり』のキャラデザを手掛けていた。あちらの方が記紀に書かれた神話のイメージに近い。 その後の展開 2018年6月14日に新シナリオ、新プレイアブルキャラクター、新バトルステージの追加およびクオリティの改善などを施した改良版『GOD WARS 日本神話大戦』がSwitch/PS4/PSVで発売された。 また同時に『GOD WARS~時をこえて~』の方にも日本神話大戦の追加ダンジョン『黄泉の迷宮編』が有料DLCと言う形で配信された。ただしこの場合は新規キャラである「オリヒメ」が登場しない。 『時をこえて』での「オリヒメ」に関しては、後日DLCとして追加予定とのこと。 2019年6月14日に『GOD WARS The Complete Legend』のタイトルで『~日本神話大戦』のWin版がSteamにて配信開始。字幕/音声/UIは日本語対応。CS機版との相違点としてキャラクターの隊列変更機能や戦闘開始時に隊列の自動配置が可能になったこと、マウス・キーボード操作対応が挙げられる。 本作の続編『GOD WARS 2(仮)』の開発が発表されたものの、発売が未定である。
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ベースボール 【べーすぼーる】 ジャンル スポーツ 対応機種 ゲームボーイ 発売元 任天堂 開発元 任天堂インテリジェントシステムズ 発売日 1989年4月21日 定価 2,500円 プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A(全年齢対象)※バーチャルコンソール版より付与 配信 【3DS】バーチャルコンソール 2011年6月7日/315円(税込) 判定 なし ポイント 『ファミスタ』ライクのシンプルな野球ゲーム趣が違うJPNモード・USAモードの2モードを楽しめる全体としては薄味かつ大味 概要 ゲーム内容 試合中の操作・仕様 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 ゲームボーイ本体と同時発売された、いわゆるローンチタイトルの野球ゲーム。 スポーツをそのままタイトル名に据えた無印系のタイトルでファミコン草創期の『ベースボール』(以下、FC版)同様ローンチらしいタイトルである。 いかにも無印系らしくシンプルな野球ゲームではあるがさすがに5年半経過していることもあり、ゲーム中のBGMがなく選手に特徴が全くなかったFC版と異なり全体的なゲーム性は『ファミスタ』の影響が色濃く表れている。 ゲーム内容 先攻チームのW-BEARS(ホワイト・ベアーズ)・後攻チームのR-EAGLES(レッド・イーグルス)のいずれかを選び、選択しなかったチームを相手として試合を行う。 ゲームモードはJPNモード・USAモードの2種類が存在し、選手データや画面表示、BGMなどが異なる。 JPNモードではW-BEARSの選手が「IGAWA(江川卓)」「KANE(金田正一)」「CHO(長嶋茂雄)」「BUCHI(田淵幸一)」といった往年のセントラルリーグの名選手のもじり、R-EAGLESの選手が「TONBI(東尾修)」「YAMA(山田久志)」「FUKU(福本豊)」「HARIO(張本勲)」といった往年のパシフィックリーグの名選手のもじりとなる。USAモードではW-BEARSに「MARIO」、R-EAGLESに「LUIGI」という投手が登場する。 グラフィック上は他の選手と変わらないので同名の別人という可能性もあるが、海外版のパッケージではちゃんとあのマリオが投手として描かれていたりする。 各選手には打席の左右に加え、打率、打撃(ヒットの出やすさ)、器用さ(バントの巧さ)が設定されている。投手はタイプ(利き手+投球フォーム)、スタミナ、球速、変化(球の曲げやすさ)が存在し、投手の打者能力は一律「打席の左右は利き手と同じで、打率.150、打撃E、器用さA」で固定されている。走力の概念があるのかは不明。 試合中の操作・仕様 投手の操作はFC版を踏襲し、十字ボタン左右とAボタンで投球位置を指定、十字ボタン上下で球速を指定し、もう一度Aボタンで投球する。投球後ミットに収まるまでに十字ボタン左右で変化をかけられる。上に入力すると見切られやすいがよく曲がるスローボール、下に入力すると見切られにくいが曲がりにくい速球となる。 打者は『ファミスタ』とほぼ同じ形式で、ボックス内を十字ボタンで前後左右に自由に移動でき、Aボタンでスイング、そのスイングを途中で止めるとバントができる。 守備・走塁操作はセミオート式で、打撃後インプレーに移った際の初動はCPUが自動で行ってくれるが、プレイヤーによる操作はいつでも自由に可能。守備側の捕球後の動作はプレイヤー操作しか受け付けない。 基本的にフライはCPU任せでアウトにできるが、ライナーやゴロは追いつけないことが多い。その場合は初動の方向に沿って十字ボタンを入力すると追いつきやすい。 送球スピード(肩)は投手・捕手・内野手は速く、外野手は遅い傾向にある。その反面、外野手はフェンス際など内野から遠く離れた位置から返球(遠投)した場合、内野手と遜色なく鋭い送球となる。 打者走者をアウトにしてランナーがいない状況でも守備陣同士で延々とキャッチボールができる。 牽制・盗塁・塁指定タッチももちろん可能。 投球前にスタートボタンでタイムをかけ、もう一度スタートボタンを押すと守備側はリリーフの選択、攻撃側は代打の選択が行える。 DHなし・10点差コールド有り。 試合が終了するとスコアボードが表示され、勝利した場合はベンチ前で監督(?)の胴上げが行われる。敗北した場合は選手が一列になってベンチの向こうの観客に頭を下げるが、観客から延々と空き缶をぶつけられるというあんまりな仕打ちを受ける。 評価点 後述するように雑な点は多々見られるものの、携帯機でありながら当時の野球ゲームとしての水準は満たしている。 BGMの追加や守備・走塁のセミオート化など、FC版で見られた問題点は解決されている。 選手能力の傾向はもちろん、BGMや画面表示にまで徹底的に拘ったJPN・USA各モードの趣の違い。 JPNモードであれば球速はキロ表記でカウントはSBO方式(*1)、BGMは「ダッシュKEIO」(『ファミスタ』でもお馴染みの曲)を始めとした応援歌風の曲調。USAモードであれば球速はマイル表記でBSO方式、BGMはポップ調となる。ゲーム性は同じではあるものの、いずれも全く違った雰囲気を味わえる。 問題点 ハード草創期ゆえ致し方ない面もあるが、ボリュームそのものは薄味。 JPNモード・USAモードとも各2チームしかないので、実質4チームしか使用できない。対戦相手も選択したチームに応じて完全固定の1チームのみで、選手の顔ぶれも投手陣や代打くらいしか変わらない。リーグ戦なども存在せず、1試合終えればタイトルに戻される。 日米ともにチーム名が全く同じであることや、先攻・後攻が固定されていることも、変わり映えのなさに拍車をかけている。その程度のことならデータやパレットの入れ替えで実現可能に思えるのだが…。 細かなことではあるが、先攻側が白基調のユニフォームで、後攻側が色付きのユニフォームを着ているという点は実際のプロ野球の慣例に反している(*2)。FC版や『ファミスタ』でも同様のケースはあるが、同作の登場チームは実在球団がモチーフであり、「全てホームユニフォーム仕様にすると色が被る球団がある」という事情が察せられるのに対し、架空の球団かつ先攻・後攻が固定されている本作では敢えて慣例に背く理由が分からない。 走塁時のCPU操作の精度があまりよろしくない。 フライを打った場合、ポテンヒットになりそうな当たりでもランナーは元の塁にベッタリくっついたままなので、プレイヤー自ら打球判断に合わせてランナーを動かさなければ外野ゴロも有り得る。野球のルールに不慣れなプレイヤーにはキツイ。 これは相手CPUにもそのまま当てはまり、「外野へのポテンヒットを処理して先頭ランナーの進塁先を狙ったら悠々アウトにできた」という事態が続くのは少々興醒めである。 コマ送りを極力使わず滑らかさを意識しているせいか、インプレー時はスピード感に欠ける。特に守備側の挙動が非常に重々しく、鋭い当たりでフェンスに直撃した打球の処理となると、画面の動きが追いつかずボールと野手の位置が把握できないことも相まってかなりの苦行となる。 ダイビングキャッチ・ジャンピングキャッチも存在しないため、内野手の真横へのゴロも追いつけないことがしばしばある。 『ファミスタ』でも見られた相手CPUのお粗末守備。 基本的に先頭ランナーに執着しており、1・3塁時の二盗フリーパスはもちろんのこと、内野ゴロを打っても3塁ランナーがホームへと動いていればそちらを優先する、後続のランナーがベースを離れていても咎めようとしないといったチョンボを平然とやらかし続ける。 3つ目の例に関して言えば、ボールを持った内野手の塁に近づいた場合なら塁指定タッチをしかけてくるのだが、それも所謂ランナー詰まりが発生するレベルで急接近したときに限られる。 打球方向のパターンが少なく、「バックスクリーン方向に1°の誤差もなく真っ直ぐに飛んでいく」「ファウルラインスレスレだが必ずフェアゾーンに落ちる」といった打球を何度も目にすることになり、不自然な印象を受ける。 総評 ゲームボーイの少ない容量の中で日米の野球の雰囲気の違いを見事に表現しているが、やり込めばやり込むほど奥の浅さや雑な作りが浮き彫りになる。 とはいえ、当時とほぼ同水準の野球ゲームを携帯機で手軽に楽しめることは間違いなく、ローンチタイトルとしては良好なセールスを記録した。 その後の展開 ファミコン草創期同様に任天堂はゲームボーイでも同年5月に『テニス』、11月に『ゴルフ』と無印系のスポーツゲームを発売する。他に同等のタイトルでスポーツ以外では1990年11月発売の『F1レース』がある。 いずれもFC同様に草創期らしい無印なタイトルだが、どのFC版ともまったく別物で5年以上の時を隔てていることもあり進化したものになっている。 また、ゲームボーイにおけるこのような無印系タイトルのゲームは他にポニーキャニオンが『将棋』、トンキンハウスが『ボクシング』『サッカー』などを発売している。 2024年5月15日より、『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして本作が配信開始。 余談 正式なマリオシリーズの野球ゲームとしては『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』、さらに続編の『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』、関連作の『マリオスポーツ スーパースターズ』が発売されている。 草野球方式であるためポジションは固定されておらず、マリオとルイージを投手以外のポジションに就かせることも可能。むしろ、両者ともに同シリーズではやや野手向きの性能となっている。 なお、同シリーズにおいてマリオは本作と同じ右投右打、ルイージは本作と違い右投左打だが、『ミラクル』でのみ投打の左右を自由に変更できるため、本作同様の右打に設定することもできる。 『スーパースターズ』では守備の操作設定をマニュアルにしても打球をある程度自動で追ってくれるという、本作に似た仕様が存在する。 FC版含めFCの無印系スポーツゲームは基本系にタイトル画面が「スポーツ行進曲」(例外は『ゴルフ』『サッカー』『アイスホッケー』)のアレンジだったが、それは本作でも使われておりプレイボール時に流れる。 ただしFCの同系ゲームの流用ではなく本作独自のアレンジとなっている。 因みにFCのシリーズではほぼ共通だったがゲームボーイでは本作のみ(*3)。 イニング表示が表なら「T」裏なら「B」となっている。例・3回表の場合→「3ING/T」 これはそれぞれの英訳した頭文字。表→Table 裏→Back 1983年のFC版でも「〇回オモテ」「〇回ウラ」表記なので、このような表記は他に例がない。 本作発売時点では、「ベアーズ」と「イーグルス」の名を持つプロ野球球団としてはKBO(韓国リーグ)に「OBベアーズ(現:斗山ベアーズ)」と「ピングレ・イーグルス(現:ハンファ・イーグルス)」が存在していた。日本球界においては「かつてオリックスの前身の阪急が4ヶ月だけベアーズを名乗っていた」「後楽園球場を本拠地とするイーグルス(大和軍、黒鷲軍とも)が存在していた」という事例はあったものの、いずれも第二次世界大戦前後(後者は戦前に解散)という遥か昔の出来事であった。一方で、当時の日本のフィクション作品では「イーグルス」「ベアーズ」はいずれも架空の野球チームで多用されていた名前でもあった。 少し前になるが『熱血あばれはっちゃく』(*4)の38話(1983年1月8日放送)「燃えろ!グランド㋪作戦」では「京浜ベアーズ」というチーム名が登場している。 OVA「勝利投手(1987年)」では実在の巨人軍の名前が「東京イーグルス」と変名されていた(*5)。 アニメ「キテレツ大百科(*6)」で主人公キテレツ、コロ助の友達、ブタゴリラの一家が応援していた鈴木という選手が所属する球団が「イーグルス」であった。 更にその301話(1995年7月2日放送)「八百八崩壊?コスプレナイター中継!」における「イーグルス」の対戦相手が「ベアーズ」であった(因みにこの試合はイーグルスが勝った)。 その後、本作発売から15年を経た2004年オフ、オリックスと近鉄の球団合併を受け5球団となったパリーグに楽天が参入し、チーム名をイーグルス(*7)と定めたことにより、 日本球界に文字通りのR-EAGLESが誕生することとなった 。 奇しくもパリーグ所属である点もJPNモードでの選手構成と合致する。また、本作のR-EAGLESのRは「レッド」を指すが、楽天も同様に赤(クリムゾンレッド)をチームカラーとしている。あのレイルウェイズと肩を並べてもおかしくない予言ぶりであろう。 日本版のパッケージイラストでは赤・黒基調のユニフォームを着たR-EAGLESの選手が描かれているが、楽天も2017年にこれに酷似した特別ユニフォームを採用している(*8)(実際のモデルはアリゾナ・ダイヤモンドバックスだが)。 本作の前年に発売された『プロ野球?殺人事件!』でも、江川卓をモデルとした「いがわ」というキャラクターが主人公として登場する。 『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)の「1989年度ファミマガゲーム大賞」(*9)では30点満点中15.88点と低評価でゲームボーイ部門のワーストとなってしまった。任天堂ソフトが最下位を記録した例は後にも先にもない。 言うまでもなく本作そのものは突出して良い点こそないものの、バグやゲームバランスのひどさといった致命的欠点もないので凡ゲーではあってもクソゲーなどではない。ただ当時の野球ゲームの花形は日本プロ野球の変則コピーでその路線からは外れているので、それによる不評はありえそうな話である。 またワースト2位は『アレイウェイ』(16.80点)ワースト3位は『|役満』(18.26点)とワースト3をローンチが独占する不名誉な結果となった(『スーパーマリオランド』のみ4位)。 この1年はゲームボーイ草創期ということもあってか名作もクソゲーも少なく、平凡なゲームが大多数を占めたため、その中でも発売が最も早かったこの3本が記憶にも残らず低い評価をされてしまったのは不運としか言いようがない(*10)。 なお発売が11月28日とこの企画の直前に発売された『ゴルフ』は無印なタイトルが示す通り特に目立った要素のない地味な凡ゲーながらゲームボーイ部門2位と異常なほど高評価だった(ただし22.86点とさほど評価は高くなく1位の『対戦型テトリス』(25.02点)には大きく水を開けられている)。
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ファーム・ミスタリー・ハッピー・オーチャード・ナイトメア 【ふぁーむ みすたりー はっぴー おーちゃーど ないとめあ】 ジャンル 脱出ゲーム 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 Ocean Media 配信開始日 2021年1月28日 定価 1,049円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング IARC 7+ 判定 なし ポイント 呪われた農家からの謎解き脱出ゲーム難易度は控えめ・謎解きのスキップ可能全体的にあっさり気味でボリューム不足 概要 ゲームルール 評価点 問題点 総評 概要 アメリカのインディーズメーカーであるOcean MediaからリリースされたNintendo Switch専用ダウンロードソフト。 ジャンルは主観視線で行われる謎解き脱出ゲーム。主人公「クロエ」が幽霊のいる呪われた農家に監禁された恋人「ザック」の救出と脱出を目指す設定。 ホラーゲーム的な雰囲気を醸し出しているが、ビックリ・残虐などのショッキングな描写はほぼなく、IARCのレーティングも控えめに抑えられている。 ゲームルール ゲームの流れ カカシまみれの呪われた農家を舞台に、様々な謎解きを行いつつ先のエリアへと進んでいく。 原則として複数エリアの行き来は自由に行えるが、進行状況によっては後戻りできなくなる場合もある。とはいえゲーム進行が詰む心配はない。 本作にはゲームオーバーとなる要因はなく、ストーリーやエンディング等の分岐もしない。いわば昔ながらの総当たり系の謎解きゲームといえる。 エリアには他のエリアへと続く「赤い光」と、謎解きイベントが起きる「緑の光」が発生する。 それぞれの光を決定すると、前者は他のエリアへと行き来でき、後者は謎解きイベント画面へと移行できる。 緑の光に関しては謎解きを終えると光が発生しなくなる。またエリア中に「このエリアはもう探索する必要はない」というアドバイスもされる。 謎解きについて エリア中に発生する謎解きイベントをクリアすると、先のエリアへと進めたりアイテムが入手できる。 謎解き中において簡易なヒント表示ができるほか、そのイベントのスキップもできる。双方ともに行ってもペナルティはない。 入手したアイテムはストックがなされる。謎解きはアイテムを使用しないと解けないものが多数で、使用したアイテムは消滅する。 作中おいては時折ファイルも入手できる。中には謎解きに関する重大なヒントが記載されている場合があり、これを照らせ合わせないと謎が解けない。 謎解きとは少し異なるイベントだが、頻繁にアイテム探しのイベントも挟まれる。 このイベントは画面内に表示された12つのアイテムをすべて見つけるとクリアとなり、重要アイテムが入手できる。イベント中のペナルティはない。 操作体系 コントローラー側と本体側の両操作に対応。主な操作は「カーソルの移動及び決定」「アイテムの使用」「ヒントの確認」など。 評価点 難易度控えめで遊びやすい 謎解き等の難易度は全体的に控えめで、この手の謎解きゲームとしては苦戦する事なくオールクリア可能。 ほとんどの謎解きは軽い行動で難なくクリアできる位の難易度であり、たとえ謎解きできなくともスキップ可能なのでゲームが詰む事はありえない。 エリア中に「どこのエリアにいけばいいのか」「どこが謎解きイベントなのか」という光が明確になされるため、次は何を行えばいいのかも一目瞭然。 グラフィックの雰囲気は上々 洋風ホラーチックなグラフィックのクオリティは高く、作中の雰囲気はまずまず良好。 グラフィックの使い回しはなく、先のエリアに進むたびに新鮮な展開が待っている。ホラー要素は薄いが不気味さはなかなかのもの。 問題点 価格非相当な薄いボリューム 総合的なボリュームは1~2時間もあればあっさりとオールクリアできるほどに短く、価格相当な内容とはいい難い。 上記の通り、謎解き難易度が控えめなためにとんとん拍子でクリアできてしまい、これといった難関や山場に遭遇する事なくゲームが終わってしまう。 いつでも謎解きイベントがスキップできてしまう故に、謎解きゲーム特有の緊張感も薄い。いくら何でもシステム周りが親切すぎる。 あってないようなストーリー描写 所々にクロエを中心とした会話シーンが入るものの、ほとんど気休めレベルのものでストーリー描写が極めて淡泊。 良くいえば謎解き等に集中できるともいえるが、エンディングまでこの淡泊さが続くので、そもそも会話シーンを導入する必要があったのかは疑問なところ。 エンディングがあまりにもあっさりすぎてオールクリアの実感がいまいち沸いてこず、おまけ的なサプライズも特になし。 総評 謎解きゲーム初心者向けといえる優しい難易度で遊びやすい反面、価格に似合わぬボリューム不足さも目立つ。 致命的な欠陥はないものの、ボリュームややり応えという意味では他の同価格帯の謎解きゲームに比べて一回り劣る一作といわざるを得ない。
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キックライダー 【きっくらいだー】 ジャンル アクションレース 対応機種 アーケード 発売・開発元 ユニバーサル 稼働開始日 1984年 プレイ人数 1~2人(交互プレイ) 判定 なし ポイント ユニバーサル版ジッピーレース蹴りいれまくりな暴走レース 概要 主なルール 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 1984年にてユニバーサル(*1)からアーケードにてリリースされた、上方向にスクロールする縦2D視線メインのアクションレースゲーム。 主人公であるライダーを操作し、立ちはだかるバイクや車などを回避するなどしてゴールを目指すのが目的となる。 1~2人交互プレイ可能。全3ステージのループ制。 主なルール 敵車を避ける事がメインとなるゲーム性や、2D視線と3D視線を交互に繰り返すという展開、2D視線ではオフロードとオンロードが存在する点など、本作は前年にアイレムからリリースされた『ジッピーレース』と非常に似た内容である。 単調直入にいうと「ライダーを制限時間内にてゴールに到着させればステージクリア」という、レースゲームとしてはありがちなルールとなっている。 各ステージには2Dと3Dの二者視線に分けられている。ステージ開始~後半は2D視線であり、ステージ終盤からは3D視線に移行してゴールを目指す事となる。2D視線と3D視線は内容に若干の差異があるので、以下個別に紹介する。なお、操作コントローラーはレバー + 1ボタンである。 「2D視線」はレバー左右にてライダーの左右移動、レバー前でアクセル、レバー後ろでブレーキ、ボタンとレバー左右の組み合わせで左右どちらかにキック攻撃ができる。 この視線では定期的にバイクやマウンテンバイクの敵がライダーに引っ付くような形で体当たりしてくる。キックで敵を攻撃する。マウンテンバイクはキック一発で倒せるが、バイクはノックバックするだけで、当てれば必ず倒せるという訳ではなく、倒すにはノックバックで道を踏み外させる必要がある(自分もコースアウトしてしまうリスクも伴う)。バイクは触れてもライダーに一切のダメージはないが、通行の邪魔をしてくる他、ライダー同様にキックを仕掛けライダーを道外に転倒(ミス)させてしまう。なお、マウンテンバイクは一切攻撃を仕掛けてこない。 バイク関係以外にも、爆弾を投げてくる車、ドラムカンを投げてくるトラックも出現する。この車やトラックには一切のキックは利かず、上手く交わして視界から消すしか回避方法はない。爆弾やドラムカン、及び車そのものに触れるとミスとなってしまう。 バイクや車などの妨害以外にもライダーが誤操作で走行中の道を踏み外してしまうと、もちろんミスとなってしまう。道の形が変化する直前に画面上部にレーダー表示され、それを目安にすれば車道踏み外しミスを回避しやすくなる。 画面右にゴールまでの道のりを示すゲージが常時表示され、これがゴール付近まで近づくと自動的に3D視線に移行する。 「3D視線」はキック攻撃がない(ボタンを使用しない)事を除けば2Dと同じ操作系統となる。 この視線では敵車は一切存在せず、車道踏み外しの危険もなく、ライダーがミスする要因はない。その代わりに障害物が頻繁に出現し、それにぶつかるとペナルティとして減速してしまう。 この視線限定で仲間と思われしバイクが数字の書かれたプレートを掲げて併走している。プレートはライダーが走る度に数字が減少していき、「0」と表示されればゴール到着寸前である事を意味する。 各ステージの制限時間は99秒からのスタートとなり、ステージクリアすると残った制限時間がスコアボーナスになる。次ステージでは99秒の状態からの再開となる。 3ステージをクリアする毎に、今までに抜かしたバイクや車の数が特別スコアボーナスとして加算される。 制限時間制で時間が尽きるとゲームオーバー。 本作には残機数の概念はないが、ミスする度にスクロールが停止し、制限時間がロスするというペナルティはある。ミスする条件は以下の通り(3D視線ではミスはない)。 2D視線にて、ライダーが「敵の車、トラック、爆弾、ドラムカン」のいずれかに接触する(バイクやマウンテンバイクに関しては触れるだけではミスにならず)。 同じく2D視線にて、ライダーが誤操作で車道を踏み外してしまう。もしくは敵バイクのキックで車道の外に追い込まれる。 評価点 キック攻撃というジッピーにはない「敵を倒す手段」が搭載されており、これによって「痛快に走らせながらバイクどもを蹴散らす」という面白さが堪能でき、しかも後述の通り難易度も低い。 賛否両論点 難易度は大幅に低い。 というのも、ミス後のタイムロス(ジッピーでいうところの燃料)が少なく、ある程度のミスをしても割と余裕を持ってクリアできるのが大きい。それ故に初見でも下手したら1周クリアできてしまう易しめなバランスとなっている。 ただし、制限時間はゆるめだが、ジッピー以上にスクロールが早い故に突発的な脱線事故に陥りやすかったり、頻繁に複数のバイクどもが執拗にライダーに密着してきたりと、体感的な難易度はそこそこ高い模様。 問題点 時代的の関係上仕方がない面もあるが、楽曲は少なく、BGMもループが短くて単調である。 しかし、言葉では表現するのは難しいが、「ズンズンズンズン♪」というメロディラインのステージBGMが洗脳的に耳にこびりついて素敵だ。 総評 格別に出来がいい作品かといわれると疑問であり、時代を考慮してもボリューム的に物足りなさはあるが、易しめの難易度でまとわり付いてくる敵バイクどもをクラッシュさせつつもゴールを目指す様はなかなかに豪快ではなかろうか。 メーカーの事情もあるが、家庭用移植はされておらず、当然ながら知名度は大分低い作品である。